岡山、片上鉄道跡サイクリング |
車を置く場所が見つからずウロウロして、結局は大きなスーパーの駐車場へ。ハンガーノック予防のグラノーラバーとミネラルウォーター買ったから駐めてもいいよね。
自転車を組んで空気圧をチェックして等と手間取っていたらスタートは11時になってしまった。片道34.2キロだから、写真を撮ったりノンビリ走れば2時間かな、休息や食事も考えても往復5時間あればおつりが来るでしょう。
天気予報では11時まで晴れ、あとは曇りで、夕方から雨。気温は最高18度と、この時期としては異常に暖かい予想、というか、うちの辺りなら初夏の気温だ。
街からサイクリングコースへの入り方が判らなくて、またウロウロ。看板・標識のたぐいは見かけなかった。片上鉄道は鉱石輸送鉄道(のちに一部は客車も走らせた)だったから、起点は片上の港からだけれども、サイクリングコースは港から1キロほどの町外れの山陽新幹線のガード下から唐突に始まる。
しかし、ホントにこのコースが軌道跡? こんなに急な上りを鉄道が走れたのか? まあ軌道跡だから、もちろんアウターのまま登れるけれども、けっこう急に感じる。
しばらく走ると勾配標があった。この鉄道は大正末期から1991年まで使われていたのだけれど、この勾配標はもちろん当時のものではないだろう。が軌道跡のサイクリングコースということで、この勾配標を置いたのだろう、このセンスはいいね。
勾配標の表記は28.6、つまり100メートル進んで2.86メートル上がる、自動車道の表記なら2.86パーセントだ。
登っていくと峠の部分はトンネルだ。その名も清水峠トンネル。トンネルを抜けると和気の街に向かってどんどんと下っていく。
里程標もあって、欠けている場所も多かったけれど100メートル毎に設置してあって、これも鉄道スタイルで味がある。写真の里程標はスタート地点から22.9キロの場所のものだ。
途中、ホームや駅舎が残っている場所もあった。天瀬駅と苦木駅、どちらも駅舎がサイクリストの休息所を兼ねているのだけれども、じつに良く手入れして残されている。鉄分の濃いサイクリストなら、この駅舎を見ただけでも、もう大喜びのコースだろう。
さらに、こんな信号機なども何カ所かにそのまま残されていた。里山の脇を走るコースは、農家の畑や庭先を抜け、紅葉はほぼ終わって枯れ葉にはなっているけれど、まだ落葉はしていない林を抜けていく。日当たりの良い暖かな場所ではコオロギも鳴いていた。
ゴールの吉ヶ原駅に着いたのは、13時ちょっと過ぎ、ほぼ予定どおりだったが途中で一部コースをミスった。実は地図を用意していなくて、途中のサイクリングターミナルで貰おうと思ったら、そんな用意は無いようだった。まあ、吉井川の左岸をズーッと走っていくのだから地図無しでも行けるだろうと考えていたのだが、実は途中で対岸に渡る部分があったのだ。この区間は一般道を走ったけれども、ほとんど車も来ずに快適だった。
吉ヶ原駅には当時の車両が動体保存されていて、毎月一回、地元の鉄道保存会(つまり良質の鉄ちゃんの集まりだね)が展示運転しているのだそうだ。鉄道好きのサイクリストなら展示運転日に走れば、さらに楽しいだろう。
けっこうアップダウンの多いコースなので、といっても軌道跡だから緩いけれど、帰りもけっこう漕がなきゃならない。で、考えた。往路でミスコースした部分は対岸に渡って正規のコースを走ろう。そして、もとの岸に戻らず和気の町までは右岸の道を下ってみよう。北海道で下調べをしたときには地図には右岸にも車道が続いていたのだった。サイクリングコースが左岸に戻る橋を渡らず、そのまま下っていくと、なんと舗装が切れて地道になった。
??とおもったけれど、700X30Cの太めのタイヤを履いているのだ。少しぐらいなら地道も楽しい、とグングン走っていくと・・・。
こんなものがあった。なんだろう、イノシシかシカを獲る罠らしい。さらに進むと、また同じような檻があって、ちかくにはこんなものが落ちていた。
このとき気づくべきだった。車が走る道の脇に動物を捕獲する罠なんて仕掛けないことを、散弾銃なんて撃たないことを。
どんどん進むとさらに道が悪くなって、ブッシュが生えている。どうみても、最低ここ数年は車が走った形跡はない。さらに行くと、なんと小さな沢のところで道路が崩落して無くなっていたのだ。
結局、このミスコースで1時間以上のロスをしてしまった。ダート道を戻る途中、右側の吉井川を見おろしていると、なにやら水面を泳ぐ動物を見つけた。1匹と2匹、全部で3匹だ。カワウソなら大ニュースだけれどそんな訳はない。遠いのでハッキリとは判らなかったけれど、どうやらヌートリアらしい。野生のヌートリアを見るのは初めてだから、その面から見ればミスコースも意味があった・・・と、思うことにしよう。
スタート地点のスーパーの駐車場に帰り着いたのは4時半過ぎ、もうだいぶ暗くなって街灯にも灯が入っている。自転車を積み終えたときにはパラパラと雨が降り出し、10分後には本降りになった。
今日、自転車道の途中で出会ったのは3人組のロード乗り、ソロのMTB、吉ヶ原駅でソロのロード乗り。たぶん、今日このコースを往復したのはこの5人+私だけだろう。夕方の通勤割引を使って、今日の宿のある倉敷へ向かう。
全てフジのF200EXRで撮影、画質がイマイチだからクリックしても、あまり大きくはならない。