キタキツネ、エゾヤチネズミ、エゾモモンガ。 |
昼前のことです。窓から外を見ていたら、庭の野鳥のフィーダーの近くを1匹のキタキツネがウロウロしています。と、いきなり凄い勢いで雪の中に頭を突っ込んだのです。するとなんと飛び散る雪の中から2匹のヤチネズミが飛び出して来ました。キツネはすぐさま1匹を噛み殺しました。2匹目が雪の上を逃げていくのに気付いて、噛み殺した1匹目を雪の上に置いて、2匹目に向かって突進したその直後に、木の上から一部始終を見ていたハシブトガラスが雪の上に置かれたネズミに向かって舞い降りて掻っさらっていったのです。背後の異変にキツネが振り向いて飛び去るカラスを見上げて、また2匹目のネズミをとおもったときには、ネズミはもう雪の下へと逃げ込んでいました。
しばし呆然とたたずむキタキツネ。そのあと、誰も見ていなかったよね?と、周りを見回して、家の中からガラス越しに見ていた私と目が合ったのです。えっ?見てたの?とバツの悪そうな顔をしながら川の方へとトボトボ歩いて行くうしろ姿の惨めなこと。
野生動物を擬人化して観察してはいけないことは重々判ってはいるのですが、まるでイソップ童話のようなこの一連の出来事には、おもわず、お馬鹿なキツネって笑ってしまったのでした。
でもキツネは2度は失敗しませんでした。夕方、モモンガのガイドに出発しようと車に機材を積み込んでいるときに、午前中と同じキツネが出てきて、このキツネは尾の毛の生え方が独特で個体識別が出来るのですが、私の目の前で一撃で見事にネズミを捕らえて丸呑みにしました。食べた後にこっちをチラッと見て、また次のネズミを狩りはじめたのでした。
モモンガは同じ森の中の2カ所の巣穴を見ているのですが、今日私が見ていた方の穴は最初の1匹が出てきたのは17時07分で、ゲストの方が見ていた巣穴は16時43分に出てきたそうです。どちらの巣穴も出てきたのは4匹でした。出てくる時間は随分と遅くなったものの、日没が今日は17時30分でしたから、晴れていればまだ明るい時間にモモンガを見る事は出来ます。