野付半島へ |
野付半島に着いたのは11時前でしたが、風も弱く穏やかな陽射しで気温は10℃にも達していませんが、暖かく感じます。ネイチャーセンターで情報を訊いたところ、ケアシノスリは一度入ったけれども抜けてしまい、コミミズクはまだ来ていないそうです。まあ、今日は様子見というところですから、のんびり廻って見ることにします。浜では秋鮭の定置網の撤収作業をしていました。
岬の先端近くでビロードキンクロの10羽ほどの群れを見つけましたが、残念ながら遠すぎて観察のみで撮影は出来きませんでした。その沖で大漁旗で満艦飾の漁船が走りまわっています。何をしているのでしょう?
カモ類とコクガン、オオハクチョウはもう沢山居ました。オジロワシは数羽、オオワシの成長は一羽だけみかけました。ハギマシコは一羽も見かけず、ユキホオジロは30羽ほどの群れがいましたが、警戒心が強いのか、まったく近づくことが出来ず、やっと証拠写真レベルのみでした。野付半島では初めてのダイゼン(たぶん)も見つけましたが、夕陽が強すぎて良い写真が撮れません。
そんな中で遊んでくれたのはハマシギです。何時もなら直ぐにバーッと飛び立って逃げてしまうのに、今日は近寄らせてくれました。というか、群れで飛んできて私から20メートル程離れた浜辺に降りてから、私の方に向かってどんどん群れで歩いてくるのです。最短距離は7~8mで、たまたま運良く太陽が雲に隠れて、これは楽しかったです。
野付半島から尾岱沼漁港に移動して、馴染みの魚屋で今晩の食材を仕入れます。
「あら、久しぶりだねぇ、あと1時間早く来れば楽しかったのに」
訊いてみると、ホタテ漁の新造船のお披露目の日で、先ずは野付湾沖を数回廻ってから港に戻り、餅撒きをしたとのこと。そうか! さっき岬の先端で観た大漁旗の漁船がそれだったんだ。せっかく来たのだからと、水槽に泳いでいる生きたホッカイシマエビも買って帰ることにしました。安くして貰ってもトンデモ値段で、ふだんの夕食になんか使えない高級食材ですから、今日泊まりのゲストはラッキーです。
もうだいぶ日も傾いてきて写真を撮るのは難しそうですが、日没まではまだ少し間があるので、もう一カ所寄ってみることにしました。結果これが正解でした。
見つけたのは一羽のコクガンと一羽のユキホオジロです。この辺りには今は数千羽のコクガンが居るはずですが、常に群れで行動していますし、警戒心が強くなかなか近寄らせてくれません。去年の12月10日のこの日記に載せましたが、あのときは氷で餌のアマモを食べる場所がなくなって岸近くに寄ってきたものを15mほどの距離から撮っています。が、今日は野付湾内のコクガン達は200mも近寄らせてくれませんでした。ところが、この一羽だけのコクガンは私が歩いていっても逃げないのです。写真を撮りながら少しずつ近寄って行ったのですが、まったく逃げる様子もないので、もしかしたら怪我をしていて飛べないのかも、とおもったほどです。12m程にまで近寄って、対コクガンこれまでの最短距離更新は間違いありません。もろの西日でコントラストが強烈になってしまって、せっかくのチャンスなのに良い写真が撮れないのが残念です。そしてもうあと一歩前へと踏み出したら、突然羽ばたくと、沖の方へ向かって飛んで行ってしまったのでした。
このコクガンを撮っているときに、すぐ近くにユキホオジロが一羽だけ居るのにも気がついてはいました。2~3羽の群れは何度か観たことがありますが、1羽だけでというのは二度目です。たいていは数十羽の群れで行動していて、どれか一羽が飛び立つと、他の鳥たちもそれに続いてバーッと飛んでしまうのですが、1羽だけや数羽程度の群れの時は慎重に動けば、飛ばれずにかなり近寄れることは判っていました。ただほとんど日陰のない場所で強い西日に照らされた白い小鳥は、これもコントラストが強くなりすぎて良い写真を撮るのは至難です。どうしようかと迷っていたら、僅かな草の日陰に一瞬入ってくれて、これで何とか観られる写真を1枚撮ることが出来ました。距離は8mほどでした。
今日廻った感じでは野付半島やその周辺は、まだ冬のシーズンというより秋の終盤という感じでした。この冬、雪は何時頃から降り始めるのか、どのぐらい積もるのかによって状況は大きく変わるとおもいますが、例年通りなら、今月後半くらいからの野付半島周辺は、愉しませてくれることでしょう。