森の散歩、モモンガとイイズナ、と警察。 |
3日続いたガイド仕事、4日目のガイド仕事はキャンセルとなりました。お客さんとの事前連絡の不行き届きで私の責任です。申し訳ありませんがシマフクロウのガイドは一切行いません。危機的な生息状況にあるシマフクロウは絶対にガイドの対象にすべきではないとおもっています。
残念なことに、そうは思わない金のためなら何でもやるガイドたちも居て、立ち入り禁止区域に入って営巣放棄までさせたり、鳴き声をテープで流しておびき寄せたり、まだ飛べない幼鳥を追い回したりしてシマフクロウを撮影を客にさせています。このようなガイドを使って撮影された写真に価値などあるでしょうか?
こんなガイドを使って撮った有名プロカメラマンの写真が、カメラ雑誌に載ったり、写真展が開かれたりしています。プロカメラマンやカメラ雑誌の、写真さえ良ければ撮影状況などどうでも構わないだろう、という安易な考えには強い違和感を感じますね。こんなプロカメラマンをサポートしているカメラメーカーの見識も疑いたくなります。
話がズレました。
と、いう訳で今日は暇になったので午前中は雑用に使って、午後から森へ散歩に出掛けました。狙いはモモンガの巣穴探しです。
先シーズン、3匹だけではありましたが撮りやすい巣穴があったのですが、今年もこの穴にモモンガが入って居るのは間違いないのに日没時間に出てきません。昼間に出てきているのか? 夜遅くに出てきているのか? 撮りにくい状況です。
今日はスノーシューを履いてカメラも持たない軽装での巣穴探しで、ですから撮影は全てiPhone8です。こんな小さなスマホでと驚く写りではありますが、でもAPS-Cに比べれば、やはり画質が落ちてしまうのは仕方が無いですね。
森に入ってモモンガの痕跡を捜します。食痕というのはモモンガの場合、木ノ芽や葉っぱなどを食べ散らかしたあとですが、それが雪の上に落ちているのを捜します。
森の奥へと歩いて行くと、あちこちにトドマツの葉が落ちています。これがモモンガの食痕で、雪への埋もれ具合で昨夜のものなのか、それ以前のものなのかも見当がつきます。ツルアジサイの枯れた花もあちこちに落ちていて、これもまたモモンガの食痕です。
食痕を見つけたら次はトイレを捜します。モモンガはねぐらの穴の中では排泄はしません。ふつう夕方と早朝と2回、それぞれ数時間だけ外に出てエサを探して食べるのですが、穴から出てきたら必ず糞をします。
小豆大の糞を一回に数十粒ほどもするのですが、糞をする場所はたいていは決まっていて、穴から出てすぐ穴の脇の幹に止まってするか、近くの樹まで一回飛んで移動して、その樹の根元か、または大きな枝の又などの、お気に入りの同じ場所に糞をします。ですからトイレは何回分、何十回分ものかなりの量の糞が積み重なっているか、巣穴の下の雪面に、巣穴の位置が高ければ高いほど広く散らばって落ちています。見慣れてくるとこれが新しい糞なのか、暫く前の糞なのかも判るようになります。糞が溜まっている場所を見つければ、モモンガがひと飛びの場所の範囲に巣穴がある確率は高く、だからモモンガのトイレは巣穴探しの大事な指標になるのです。
今日は2カ所、新たなトイレを見つけたのですが、周りを捜し回ったのですが穴が見つかりません。モモンガは自分で木に穴を掘ることは出来ませんから、穴の位置は根元近くの雪の下に開いていることもあれば、高い梢の近くにあることもあります。撮影し易い、観察しやすい、ちょうど良い高さに巣穴があるとは限りません。更に森の奥へと進みます。
雪面に落ちているモモンガの食痕や糞を捜していると、他のものも見つけてしまいます。カラ類やキツツキなどの食痕やウサギやリス、キツネやテンの足跡なども見つかります。が、あらら、これは拙いものを見つけてしまいました。どう見ても今朝か昨晩に付けられたとおもわれるイイズナの新しい足跡です。
イイズナに関しては2016年の2月から3月にかけて、この写眞日記にも載せましたが、お客さん達の協力を得ながら長期間にわたっての観察と撮影をおこないました。たぶん冬季にこれだけ長きに渡って、餌付けでは無い自然の中での野生のイイズナを連続して撮影できた記録はそうは無いとおもわれます。
去年の冬から春にかけてもイイズナの痕跡を探してはいたのですが見つからず、今期もまた雪の少なさもあって見つけられなかったのです。
が、ついに新しい足跡を見つけました。イイズナが狙うネズミよりまだ細い体で足も小さく、足跡もネズミと同じくらいの大きさでよく似ています。が、ネズミの足跡と違うのは尻尾を引きずった跡が残らないことと、何よりも歩幅がまったく違って、イイズナが雪の上を走った場合は20cm以上離れた足跡になるのです。一昨年、さんざん捜しまわった足跡と、今回見つけたものは全く同じで、木立の根元から雪の下へと出入りした跡もハッキリ判りました。また数十メートル離れた場所では、数日前のものとおもわれるイイズナの足跡もあって、たぶん徐々に狩りの範囲を移動させながらも、この森の中で暮らしていることも判りました。
さらに森の奥に進みます。モモンガの撮影は日没前後になることが多くて、撮影後の暗くなった帰り道のことを考えると、あまり道路から離れた奥には行きたくありません。道路から約300m、この辺りが限界かなという場所で、たくさんのトドマツの葉が森の中の雪面に落ちている場所を見つけました。
モモンガ達はここに立っている僅か径15cmほどのトドマツの木の枝の上で昨夜、宴会を開いたようです。
この森は針葉樹と広葉樹の混交林ですがトドマツの樹は多いです。となればモモンガはわざわざ遠くのトドマツの樹まで行くこと無く、巣穴のある場所からそう遠くないトドマツの樹を食事場所に選ぶでしょう。
このトドマツの葉がたくさん落ちていた場所から7~8mほどのところに径80cmはある太いトドマツが立っていて、この樹の根元の雪の上にはモモンガの糞や尿の跡、トドマツの食べかけの葉などが散らばっているのをみつけました。下まで降りてこないで穴から出てすぐ幹に掴まって、または近くの枝で糞をするのでこのように散らばるのでしょう。見上げていくと地上から2.5mくらいの場所と4mくらいの場所の2カ所に丸い穴が開いていて、このどちらかが、または両方がモモンガの巣穴であることは間違いないでしょう。
2月の繁忙期なので、どの程度の頻度で行けるかは判りませんが、とても見易い穴ですし、出てくる時間を特定して観察や撮影に使えるようにしたいですね。あとイイズナの方も、これは是非観察と撮影をしたいです。イイズナに関しましては2年前と同じく、ガイドという形は取らずに、私と共同で観察と撮影をしたい方が居れば大歓迎です。
また別の話です。
1月20日の日記に書いた釧路警察本部のパトカーの警官とのトラブルの続報です。
あれから随分と日にちが経って、時間は掛かるとおもいますが必ず連絡しますとのことだったのに何も連絡も無く、これはウヤムヤにされてしまったかなと思い始めていました。先日の連休前に釧路警察本部から、調査が終わったので報告したい、との電話があったのですが、超繁忙期で私が家に居ないことが多くて今日まで話をする時間が取れませんでした。で、今日はパトカーの警察官の上司の上司になる釧路警察本部のK氏と電話で話が出来ました。
今回の問題は北海道警察本部まで話が上がって、調査の結果、今回の状況での警察官の免許証の提示要求は法的に間違っていたとの結論になりました。今後は法令を遵守するよう指導いたします。本人達の直接の上司の私が、本人達に成り代わってお詫びいたしますのでご了承お願いできないでしょうか。法令遵守の通達のために全道の警察に対しても今回の話は伝えられていて、本人達も大恥をかいたことですし…。とのことでした。
パトカーの警官達は法に反するウソをついて免許証の提示を求めたわけでは無いとのことですが、ならば免許提示の根拠となる道交法を知らなかったと言うことになるわけで、これはこれで困ったことです。
まあ法令遵守の指導というのは、こんなヘマやらずにもっと上手に免許を提示させるようにしろよ、と言うことなのでしょう。違反行為が無いのに警察官に運転免許の提示を求められたら、提示しなければならない法的根拠は何でしょう?と先ずは訊くことが大事ですね。
ホントなら回答は文書でとゴネたいところではあったのですが、なにせ冬の超繁忙期で、そのうえモモンガの新しい巣穴や、真新しいイイズナの足跡まで見つけてしまったので時間が足りません。という訳で今回の警察との問題はここまで。