プチ釣り旅で十勝へ |
残りを何とかとおもって来た白糠漁港ですが、今朝の定置で獲れたのは僅か170匹だけ。値段も浜値でキロ2500~3000円ですから3キロ台の鮭でも1匹が1万円近くになってしまいます。それにもう7月ですから鮭の顔も尖ってきてトキシラズと呼ぶよりアキ鮭に近く、これでは脂ののりもイクラや白子に取られはじめて落ちてきているでしょう。残念ながら買い付けは断念です。
でもせっかく来たのですから十勝への土産にツブ貝とクロソイを1匹購入です。ここの漁組の事務方には釣り仲間が居て、彼がツブとクロソイを選んでくれます。SIMMSのトラウトマークのキャップを被っているのが良いでしょ。彼は昨日の日曜日に夫婦で十勝に釣りに行ってドライフライで52cmのニジマスを釣っています。漁組に寄ったもうひとつの理由は52cmに使ったフライと釣れた時間を訊くためです。この2つの情報は大事です。で、釣ったときのフライはXXXxXだそう。なるほどね、これは判る。で時間は朝の4時だったそうで…。このところ道東は連日の猛暑で海岸の白糠は25℃でしたが、十勝の内陸は昨日までの4日間、軽く30℃を超えています。今日も30℃超えの予報ですから、早朝と夕方しか釣りにならないかもしれません。
十勝に入って内陸へと進むと車載温度計は既に32℃です。釣りの前に先ずは昼飯と、せっかくここまで来たのだからジンギスカンの白樺へ…ン、待てよ。もしかしてと検索してみると月曜日定休でした。う〜む、困ったどうしよう?
ならばあそこへ入って見ようと思い浮かんだのが大正の町の国道から1本裏道にある気になる店です。これまで入る勇気が無かった。
店の佇まいも店に中も、おもいっきり昭和レトロで、でもこんな暑い日の昼食には窓開けっ放しが良い雰囲気ではあります。ジンギスカンランチ定食500円を美味しく頂きました。訊いてみると店は15年ほど前からで昭和じゃなくて平成です。でも建物はもとは住宅だったのでしょうが100年近く前のもので開店前は豆の倉庫に使われていたというのが、この辺りらしい話です。
去年の夏の台風で壊滅的な打撃を受けた十勝のこの辺りへは、台風以後に来るのは初めてです。橋を渡る度に川を観るのですが、もう全く流れが変わってしまっていて以前の面影はなく、あちこちで護岸は崩れたままで、橋も落ちたままで復旧工事がまったくされていない場所もあって驚きます。
気温は相変わらず32℃のままで広い河原は虫も飛ばず、日陰もなくて、これで釣れるとはまったくおもいません。ですがせっかく来たのですから我慢してウエーダーを履いて30分ほど釣り上がった流の中に倒れた倒木の後ろ側。はじめて30cmくらいのニジマスがフライに出て、まだ居るかなとキャスとしたらドカン!!
イッキに下流に向かって走られてLRHライトウェイトが逆転してドラッグの音が響きます。うわーっ!!どこまで引き出されるのだろうか? バッキング手前で止まっていきなり今度はジャンプ2回で、バーブレスフックが外されるのではないかとドキドキです。数分のやり取りの後にランディングしたのは50cmほどの綺麗なニジマスでした。
使ったロッドはSOLID OCTAGONのプロトタイプ5番、ティペットは4Xです。同じ長さのカーボンチューブのロッドよりブランクは重いはずですが、振っているときは軽く感じますし、ラインのコントロールや魚が掛かってからのコントロール性も高く、使い心地の気持ちの良いロッドで気に入っています。
一回の釣行で50cmクラスが1匹釣れれば、これでもう満足。夕方は帯広のチョコレート菓子専門店、ルセットショコラのオーナーパティシエの小笹さんと合流して一緒に別の川を釣ります。
期待のイブニングでしたが、先行者が居たためか、大減水のためか、昼間の暑さのためか、20~30cmクラスはたくさん釣れてましたが、大きな魚は出ませんでした。でも愉しかった。
夜はホテル近くの、小笹さんが懇意にしているイタリアンのトラットリア・イル・フラゴリーノです。オープンなテラス席で夜風が気持ちよく、たっぷり遊んだあとですから飲めること。生ビールにスパークリングと赤のフルボトル2本に美味しい料理がいっぱい。白糠漁港の土産のツブ貝も白ワイン蒸しでみごとに調理されて、夜は更けていくのでした。
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