浜中町周回58kmとソフトクリーム。 |
スタート地点は花咲線の茶内駅にして、最初は根室まで70kmほどを走って、根室からは自転車をバラして袋詰めして、花咲線に乗って茶内まで輪行で戻ろうかと考えていました。が、家を出たのが遅すぎて、この計画はけっこう厳しそうです。花咲線は運行本数が極端に少なく1本乗り遅れると3時間待ちにになってしまうのです。
ギリギリ間に合うかなと走り出してみると、予想外に強い南東の風です。この風だと根室までズーッと向かい風になりかねません。それもあって、適当なところでグルッと廻って茶内に戻る周回コースを走ることにしました。
ここまで来たのだから海岸線をとも思いましたが、この風です。それに海岸線の道は過去に何度も通ったことがあります。そこで国道を通らず海岸線にも出ずに、農道を、あみだくじのように適当に走ることにします。道が判らなくなったらiPhoneのGPSとFiledAccessというアプリで現在位置を確認しながら進みます。
往路はおおよそ花咲線に沿った道を選んで、行ったことの無い浜中と姉別の駅にも寄ってみようと考えました。途中、原野で太陽光発電のパネル設置工事中を見かけました。道東の原野じゃあ、あちこちに既に稼働中や、建設中の規模の大きな太陽光発電所をけっこう見かけます。太陽光発電も表裏いろいろ話を聞きますが、原発を使わないなら、いろいろな発電方を組み合わせて使うべきで、日本はもっと地熱発電だろうとはおもうのですが、土地代の超安い北海道の原野の太陽光発電もアリだとおもってます。
茶内を出たのが11時半近くですから、直ぐに腹が減って、しまった茶内の町で何か食べてから走り出せば良かった。浜中駅前に何かあるかと思ったのですが、ちいさな商店が2軒あるだけの小さな集落でした。困ったぞ、そうだ「粉の実」に行こう。
「粉の実」は浜中駅近くの原野にポツリとあるベーカリーで、道内産小麦を使って本格的なハード系のパンを焼く小さなベーカリーです。来た道を戻ってさらに進んで店の前まで行くと、ガーン、定休日!! 火・水・木は定休と看板にあります。散歩のつもりですから行動食など用意していません。食べなくても走り切れそうな気もしますが、ハンガーノックになったら嫌だしなぁ。
あれこれ思いだして、国道にレストランが一軒あったはず、と4km程走って国道44号線に出てみると遠くに看板が見えます。あった、あそこだ!! 駐車場には何台も車が止まって繁盛しているようで、ここにしよう。
店お薦めの今日のランチ、カツカレー焼きそば定食なるものを頼んだのですが、30分待っても出てこない。で、その後にやっと運ばれてきた焼きそばは、鉄板の上でジュージュー焼けていて、釧路のカツスパの変形みたいなものでした。超脂っこくって若者にはウケるだろうけどなぁ。店を出て走り始めても胸焼けしそうで、ウップ。
国道から線路際に戻って向かい風の農道をまた進みます。やがて姉別に到着、駅前は村の食料品兼雑貨屋と郵便局と床屋が一軒だけです。でも駅前通を散歩してみると、たぶん商店だったのだろうなとおもえる仕舞屋や空き家が何軒もあります。昭和30年代や40年代頃までは、ちょっとした駅前商店街があったのでしょう。
腕時計を見てそろそろ戻るかな。帰り道は国道44号線を渡って、あとは国道と平行に続く農道を走ることにします。途中、姉別川を渡る橋の上で止まって川を覗き込むのは釣り人の性です。この川、17~8年前にニジマスが釣れるよと聞いていたのですが、今まで釣りに来たこともなく、ホントに釣れるのかどうか? 増水しているし周りはアシの湿地だし、ここでフライフィッシングはどう見ても至難そうで、やるなら5月かな。
地図で予想はしていましたが、この裏道の農道はもうひたすら真っ直ぐです。アップダウンはあるので全体は見渡せないものの、走ってきた後方を見ても、前のこれから走る方を見ても、どこまでも遠くまで道は延びています。雲はあるものの晴れてはいますが、遠い北の山並みを見ると、摩周岳も西別岳も黒い雲に覆われて見えません。あっちの方はもうけっこう降っているのでしょう。
帰り道は追い風ということもあってリズムよく愉しく走って、スタート地点の茶内に戻ってきました。茶内の駅の近くにはタカナシ乳業の北海道工場があります。雪印や明治、森永といった全国区のメーカーから見ると、中堅とも呼べる乳業メーカーです。横浜に本社がありますが道内の工場はここだけです。そんな訳であまり知られていないメーカーですが、乳製品の品質の良さで業務用食材としてプロの料理人やパティシエで、このメーカーの牛乳や生クリームを材料に使っている人は多いのです。ハーゲンダッツのアイスクリームも、日本ではタカナシ乳業が生産しているのだそう。
そのタカナシの「北海道4.0」という牛乳を使ったソフトクリームが、工場から100mほど離れた駅近くにある「コープはまなか」で食べられると評判なので試してみました。
うーん、美味しいけど私の好みとは違うかも。4.0の名の通り乳脂肪分の非常に多い牛乳に更に生クリームも加えているのでしょう。実に濃厚でコッテリしています。甘さは控えめですし、品質が非常に良いのは判るのですが、私の好みは牛乳だけのもっとサラッとしたタイプのソフトクリームなので…。ま、味の好みは人それぞれで、ボリュームもあるし値段は安い(250円)し、こういうタイプが好きな人ももちろん多いでしょう。このタカナシ乳業の牛乳を原料としたソフトクリームは、東京のスカイツリーでも同じものを食べることが出来るのだそうです。
ソフトクリームを食べて、自転車を車に積んで、帰り道は厚岸に寄って、今晩のお客さん達の夕食の材料を仕入れます。新鮮なサンマとガヤ(エゾメバル)などを購入して、途中からは土砂降りの道を帰ってきました。私が遊びに出掛けた日に「鱒や」に泊まるお客さんは、美味しいものが食べられて幸せです。
帰って来てから今日走ったコースをルートラボに入力して確認したところ、総走行距離は58kmでした。ソフトクリーム分はエネルギー消費は問題ないですが、あのカツカレー焼そば分は、この程度の距離じゃぁ…。
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