エゾフクロウの仔 |
林道を歩いていたら森の奥の方から鳥らしき小さな鳴き声が聞こえてきます。弱々しいか細い声で、ピーッ、ピーッ。
なんの声だろうと林床の藪をかき分けて声の聞こえる方へ進んでいくと、森の中の倒れたカシワの木の枝に、小さな白い、まだ産毛だらけのエゾフクロウの仔が一羽、ちょこんと乗っているのでした。
エゾフクロウは夜行性です。真っ暗な夜の森なら安心なのでしょうが、真っ昼間に、こんなに開けた明るい森に子供のフクロウが一羽でいるのは、さぞかし心細くて怖がっていることでしょう。親や兄弟たちはどうしたのでしょうか。これは、もしかしたら悪戯をして、親の言うことを聞かないので、躾で置き去りにされているのかもしれません。
私が不注意で枯れ枝を踏んで立ててしまったパシッという音で、一瞬チラッとこちらを見たものの興味は無さそうで、なにやらジーッとフクロウの人生について考えているようにも見えました。こんな小さな子なのに…。
独りぼっちでいたらカラスやキツネに襲われないだろうか。人さらいに連れ去られないだろうか。と、ちょっと心配になって廻りをもう一度見回してみたら、なーんだ、お母さんフクロウが木の陰から静にこちらを見てるじゃないですか。これなら安心です。フクロウの親子を脅さないよう、ソーッとこの場を離れたのでした。
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