屋根裏のエゾモモンガ。オオアカゲラ、エゾリス、ネズミ。 |
昨日のことです。高さがあり急傾斜で自分では作業できない屋根の傷んだ部分を、塗装屋さんに頼んでタッチアップしてもらったあと、ついでにとエゾモモンガが出入りしている外れかかっている軒天の板を釘で止めてもらいました。モモンガには可哀想ではありますが、これ以上、軒天の板が剥がれてくると冬の吹雪などで問題が起きかねません。地上から10メートルはある高い場所で、独りでは危険で塞ぐ作業が出来なかったのです。さすが高所に慣れている塗装屋さん、本来なら足場を組まなければ難しいであろう作業を、いとも簡単にやってくれました。
家の周りの森に棲んでいるモモンガは、今は夕方の16時半ぐらいには出てきます。日没がほぼ16時なので、少し暗くなってシルエットでなら見えるかなという時間です。ところが屋根裏のモモンガは寝坊で、日没時間が早くなっても出てくるのは相変わらず18時前後です。で、昨日の夕方も18時15分ぐらいになって屋根裏からゴトゴト音がして起き出してきて、ところが昼間に軒天の外れそうな板は塞いでしまっていますから、出入りする場所が無くなってパニクッってしまったようなのです。出口を失ったモモンガが軒天裏や屋根裏を走り回る音が凄いこと。
屋根裏のモモンガは多いときには3匹でしたが、この中の少なくとも1匹、または2匹は、別の出入り口は知っています。建物の構造上、軒の一番高い場所から天井裏へ出入りできる隙間があるのです。壊れた軒天を直しても、この構造上の出入り口から出るだろうとおもっていたのでした。ところが昨日のモモンガはこれを知らないようで、何時もの場所から出られずに慌てまくったのでしょう。困ったなとはおもいましたが、あの高い場所の軒天の板をまた剥がすのは無理です。そこで昨夕は、モモンガが走り回っている屋根裏の、もっと低い軒天の板にモモンガが通れる穴を開けようと考えたのです。
ハシゴを掛けて下から真上を向いての作業です。明るければ時間を掛けてドリルで板に穴を開け、更にジグソーを使って丸い穴を開けることは出来るかもしれません。これなら私の手持ちの道具でも出来ますが、夜にこの作業は辛そうです。ホールソーがあれば簡単に開けられそうですが持っていません。中標津のホームセンターは20時まで営業していますから間に合うだろうと、昨夕はホールソーを買いに往復100kmを走ったのですが、店では必要なホールソーは見つからず、昨夜はモモンガは夜中まで屋根裏を走り回っていたのでした。
昨晩のうちに知り合いの設備屋さんに電話を掛けて、今日の仕事先を聞いて、今朝はまずそこへホールソーを借りに行きます。軒天の板の厚みは19mmあるので、やはり非力なジグソーよりはホールソーの方が作業は楽だろうと判断したのでした。今朝は屋根裏では全く物音はしませんでしたし、モモンガは明るくなって出入り口を見つけて出ていった可能性は高そうです。が、念のために穴は開けることにしました。片道30km走って道具を借りて、戻って穴を開けて、また道具を返しに走って2往復、朝の10時までに既に120km。昨日の夕と合わせると220km走って、手の掛かるモモンガです。
エゾモモンガの巣穴の径をネットで調べましたが、これだというはっきりしたデータが見つからず、ならばとキツツキの巣穴の径を調べました。アカゲラが44mm、オオアカゲラとヤマゲラは55mm、クマゲラはさすがにデカくて120mmというデータを見つけました。
モモンガは自分では穴を開けることは出来ずに、木に自然に出来たウロや、キツツキが開けた穴を巣穴としています。アカゲラやヤマゲラやオオアカゲラやクマゲラ、どのキツツキが開けた穴にもモモンガが入っているのを見たことはありますから、いちばん小さな44mm径で大丈夫でしょう。45mmのホールソーがあれば良かったのですが、借りられたのは40mm、50mm、65mmだったので50mmで開けました。充電式ドリルでわずか数十秒の作業でした。もし屋根裏にまだモモンガが居たとしても、これで間違いなく外に出られるでしょう。
作業を終わってハシゴを片付けていたら、キツツキがすぐ近くの木に来ているのに気づきました、オオアカゲラです。今季は初めて見かけたので、慌ててカメラを取りに行って撮影です。
何時もの年なら野鳥たちへの餌やりは12月に入ってからなのですが、なにか違いが出るかなと、今年は数日前からヒマワリの種と牛脂を出し始めました。例年より3週間ほど早い時期から餌を出したことになります。
カラ類やカケス、ヒヨドリ、アカゲラは出したその日に出した餌に気づきました。まだ暖かいし雪もないので他でも楽に自然の餌を食べることが出来るためでしょう、冬の賑わいにはほど遠いですが、餌台の周りに野鳥たちが集まりはじめはしました。今日のオオアカゲラも通りがかりに他の鳥たちが餌台に集まっているのに惹かれて来たのでしょう。一度餌台で食べれば場所は覚えるようですから、明日からもまた、このオオアカゲラを見ることは出来るだろうと期待しています。
部屋に戻って窓の外を眺めていたら、餌台にまたなにやら大きな影が…、今度はエゾリスが1匹来てヒマワリの種を食べています。今年は庭のクルミは実が少なかったので、エゾリスも秋にはわずかに見かけただけです。これから冬の間は、エゾリスの活動時間は日の出から10時ぐらいまでです。エゾリスもまた、たぶん明日も朝には餌台にやってくるでしょう。
そういえば昨日の昼前、チェーンソーで薪を作っていたときのことです。高さ2mほどに積み上げて置いてあるミズナラの原木を崩しながら切っていくのですが、原木の山のけっこう高い場所、たぶん1.5mくらいの所にクルミの実が幾つもあったのです。どのクルミも丸く穴が開いて中を食べられています。クルミではない大きな種もで穴を開けて食べられているのはスモモのようです。
エゾリスはクルミを食べるときは縫合線を囓って綺麗に2つに割って食べます。エゾシマリスは私が見た限りでは、オニグルミを割ることが出来ないのか、これを食べていたり、貯食のために運んでいたりするのは見たことがありません。となると、この薪の山の中へクルミやスモモを持ち込んで食べていたのはネズミでしょう。ネズミにとってはキツネや猫を避けられて安全で、かつ風通しの良い乾いた居心地いい住処だったでしょうね。