ランドナーでカメラ散歩 |
朝から土地の人がジリと呼ぶ霧雨です。気温は低く涼しいのですが湿度が高くてちょっと不快。体を動かしたかったので釣りに出ようかと思ったら今日は日曜日でした、釣りの安息日の戒律は守らなければなりません。
ならば自転車ですが、もしかしたらとネットでアメダスデータを見たら峠の向こうは晴れマークも出ていいます。スーパーコルサで行きたいところですが、一昨日の整備調整中にシートピンを折ってしまいました。スーパーコルサのシートピンが折れやすいのは昔から知られていて、だからグリスもたっぷり塗って気をつけて締めていたのにポキッ。材質が悪いのか、あの特殊な形状のせいなのか、すぐに替えのシートピンを発注しましたが、これが来ないと乗れません。
TOEIの700Cランドナーを車に乗せて峠を越えると、なるほど路面は乾いています。JR釧網線の緑駅前の、一台も車の止まっていない駐車場で自転車を出して、ここからカメラ散歩のスタートです。
緑駅前の集落は、ここも昔は人が多かったのでしょうが今は過疎化で空き家も目立ち寂れています。郵便局と交番と、よろず屋スーパーが一軒。食堂は長く休業していましたが、数年前から復活しているようです。あとは営業しているのかどうか不明のスナックが一軒のみ。日帰り温泉施設は人気があるようで、ここだけは車が何台も駐まっていました。
よろず屋スーパーの壁面には大きく「太平洋海底炭」の錆びた文字。形状から見て昔はネオン管が入っていたのかもしれません。
海に向かって斜里川沿いを走っていくことになりますから当然なのですが、車では気づかないほどの下り坂が延々と続いています。強い南風は追い風でもあって、こんなにとおもうほど楽に速度が出ます。幹線道路を走っても面白くないので、できるだけこれまで車でも通ったことのない農道を繋いで走っていきます。
道の両側はほとんど畑で、麦かジャガイモかビートの畑が次々と拡がります。麦の穂が風になびいて波のような動きが美しいのですが、これは動画じゃないと判って貰えませんね。
右に斜里岳、左に奥に伸びて知床の山々ですが、どれも山頂はほとんど雲がかかって見えず、根釧側から押し寄せてきた雲がオホーツク海側へ乗り越えて流れ落ちてくるように見えます。(写真一番上)
麦畑の奥は清里町のジャガイモ焼酎工場です。池田町のワイン城の成功に習っての焼酎城なのでしょう、ここのジャガイモ焼酎は美味しいです。結婚式場とレストランも併設されていますが、ワイン城ならともかくなぁ、焼酎城の式場で、これまで何組が結婚式を挙げたのか…
清里の市街地まで降りてきたら雨がポツポツ降り始めました。雲は薄いのですが強い南風で雨が飛んでくるのでしょう。本降りにはならないでしょうが雨の用意を全く持っていないので心配です。コンビニで買い物をして大きめのレジ袋を二つ貰って雨対策の準備です。1枚はフロントバッグの中のカメラ用、もう1枚はいざとなったらサドルに被せます。本革のサドルは水濡れに弱いのが欠点です。
そろそろ、引き返して緑駅に戻らねばならない時間なのですが、南の空は暗くたぶん雨が降っていそうですし、上り坂で向かい風です。こんなこともあろうかと輪行袋も持ってきていますので中斜里駅をゴールにして輪行して釧網線で緑駅に戻ることにしました。
無人駅のホームで自転車をバラして袋詰めです。輪行しやすいように分割できるフレームの自転車ですから10分ほどで袋詰め完了です。
1両編成の釧網線のディーゼル車に客は15人ほどです。清里町駅と札弦駅で降りた人達はたぶん地元民で、緑駅から峠を越えて更に乗車するのは7~8人で、これは皆、旅行者なのでしょう。
緑駅で降りるのは私ひとりで、ワンマンの運転手もこんな区間を乗る客はいないのでしょう、中斜里から緑は幾らだったかなと料金表示板を見上げていました。運賃は540円。僅か数十キロ、3時間ほど走っただけですが、輪行を入れるとプチ旅気分で、こういうサイクリングも愉しいですね。緑駅で降りると雨でした。
今日の自転車散歩は新しいアイウェアのテストを兼ねていました。ふだん、この日記にはモノの話はあまり載せないのですが、使い心地が感動的に気に入ったので…。
自転車走行では、特に夏場はアイウェアは必需です。サングラス効果ももちろんですが、ホコリや、夏場の虫から目を守ります。風で目が乾かないためにもアイウェアは有効です。汎用サングラスですと風を巻き込んで返って目にホコリが入りやすくなったり、あとは転倒落車でレンズを割ると怪我の可能性も大きくなりますから、ここはやっぱり専用のアイウェアを使いたいところです。
自転車用と考えるとオークリーとルディプロジェクトが代表的なのでしょうが、実はどちらも私の顔の形に合いません。割れないクリア調光レンズがあるのでルディプロジェクトを使ってきましたが(今はオークリーにもあるのかな?)テンプルの締め付けが痛く、ノーズパッドは浮いてしまって、走っている間にズリ落ちてきます。仕方が無いので、これをときどき直しながら走っていました。
今回購入したのはZERORH+の最新モデルMYTHOSです。デザインが似合うかどうかは別としても、これは掛け心地が素晴らしいです。とにかく軽量で左右からの締め付けも感じないのにズリ落ちません。もう掛けているのを忘れるほどの快適さなのです。掛け心地は個人差が大きいのでしょうが、他社製品がダメだった人には、これは試してみる価値は大だとおもいます。
ZERORH+も割れないレンズで、ものは良いのに国内への入荷が少ないうえトンデモ価格です。このMYTHOSも欲しい調光モデルはネットではほとんど見かけません。北海道もこんな田舎に住んでいると国内通販も海外通販も同じようなものですから、エイッとイタリア本国から通販で購入してみました。イタリアの、それも初めてのショップから通販というのはちょっと勇気が必要でしたが、結果を見れば問題なし。この円安なのに日本国内価格のほぼ半額で(これなら手が出ます)1週間ほどで届きました。
購入したのはマットダークブルーのフレームに夜まで使える調光クリアレンズです。調光クリアレンズが欲しいとなると、このフレーム色しか選べないのです。いまのところ本国でもモデル展開は、このようにフレームの色とレンズの種類の組み合わせが全て決まっているようですが、レンズ交換が簡単にできる仕組みですし、いずれスペアレンズも発売されるでしょう。
唯一の欠点はケースです。この手のアイウェアは畳んでも嵩張るのは仕方が無いのですが、付いてくるハードケースがとてつもなく重くて大きいのです。今回のように輪行の場合、この重いケースを持って歩くのは困ったもので、なにか考えねばなりません。ルディのケースを使うかな。
X-E2+XF10-24mm 写真をクリックすると大きく見ることが出来ます。