ヒグマ、クマゲラ、オオジシギ |
今週の月曜日のことです。「鱒や」から僅か1kmも離れていない場所で、ヒグマ絡みで騒動がありました。クマ撃ちのハンターが親子熊を見つけて撃ったのですが、撃ち損なって母熊は森の奥へ逃げ込んだのだそう。一緒に居た子熊が樹に登ったので、これを撃ち取ったのだそうです。今年生まれの子熊ですから、大きさはまだ犬っころほどしかないはずです。報告を受けて昼から猟友会が母熊を捜したそうですが見つからなかったのです。
法には反しないにせよ、なぜ子熊を撃ったのかが理解できません。害獣の駆除ではなくてホビーのハンティングです。母熊を撃ち損じた時点で、子供は無視して引き上げてくるべきではなかったのか? 釣りの感覚から考えれば、対象魚は大事な釣り資源ですから、稚魚や幼魚を釣っても持って帰ることはありません。ハンティングだって同じじゃないのでしょうか? 小さいうちに撃ってどんな意味があるのか? そして母熊は子供が殺されたことは知らないでしょうから、当然、子供を捜しているはずです。ヒグマは知恵も感情もある、しかもヒトにとっては危険な動物です。親熊は子供と離ればなれになったのはヒトが原因であることは判っています。子熊を撃ったことで、母熊を非常に危険な精神状態へ追い込んでいるとおもわれます。近所の農場主と話をしましたが、とうぶん山菜採りには行けないよね、と言っていました。私もそうおもいます。
で、熊は恐いですから山菜採りには行きませんが、写真を撮りには森へ行きます。おっかなびっくり、腰に熊撃退スプレーを下げて。
倒木の行き止まりで車から降りて、300メートルほど歩いたところで道の真ん中に、まだ新しい熊のウンチを見つけました。場所から考えて子を失った母熊のものではなさそうです。でもなんで、こんな場所でやるかなぁ。
林道の真ん中に熊のウンチというのはけっこうよく見る光景で、どうやら熊の威示行動らしいのです。確かに新しい熊のウンチを見たらビビリますよね。
引き上げる前に、周囲を見回し腰のスプレーを確認してからウンチを観察です。よくみると消化されていないトウモロコシがけっこう入っているのが判ります。トウモロコシ? 秋なら判るけれども今は春です。となると昨秋に刈って、あとはまだ放置されたままのデントコーン(飼料用トウモロコシ)の畑に行ったのでしょう。タンチョウや、北へ帰る前のハクチョウもデントコーンを秋に刈りとった畑に、春になってからよく落穂を食べに現れます。
ただ、このウンチがあった場所からもっとも近いデントコーンの畑でも4〜5キロはあるはずで、森と畑の間にはシカ避けのフェンスもあるはずです。いったい何処の畑に行っていたのか、不思議です?
森を歩くときは腰に熊除けスプレーを下げてはいますが、鈴を持っては行きません。熊には近くに来て欲しくないのですが、写真を撮る対象の動物や野鳥に逃げて貰っては困るからです。でも新しい熊のウンチを見つけたら話は別です。胸のポケットに入っているホイッスルを吹き鳴らしながら車に戻ります。
熊の居る森は避けて別の森へと移動です。去年の6月25日の日記に載せたクマゲラの巣穴がある森です。こちらも車を降りてから2キロほど歩かなければなりませんでしたが、居た居た! クマゲラです。去年も子育てに使った穴を今年も使うようです。今日見た限りではまだ抱卵を始めていないようでした。この穴のクマゲラの子育ては、去年はこの辺りではもっとも遅くて、巣立ったのは6月の末でした。クマゲラの産卵から抱卵を経て巣立ちまで約40日間ですから、去年の産卵はちょうど今頃だったはずです。今年はどうなるのか楽しみです。
帰り道、家の近くの牧草畑の脇で折れたシラカバのてっぺんにオオジシギが留まっているのをみつけました。オオジシギは飛ばずに、このソングポストの上で時々ジークジークと鳴いています。飛んでいないのですから急降下の時のババババババッという尾羽の風切り音はありませんが、鳴き声の方は飛んでいるときと同じですね。ということは、飛びながらこんな大きく口を開けて鳴いているんだ。
まだ夕方5時前で晴れていればまだ陽も高いはずですが、どんよりと重い暗い空ですから、開けた牧草畑でも、これを撮った時点で−1/3補正を掛けて1/125です。500mm+x1.4テレコン+7Dですから1120mm相当画角で、三脚なしで車の窓枠にレンズを載せてこのシャッター速度じゃもう限界だね、と帰ることにしました。
写真をクリックすると大きく見ることが出来ます(通常は横幅1020pix) よろしかった是非、大きくして見ていただけると嬉しいです。