自転車の右頭 |
尾頭付きの焼き魚や煮魚を食べるときに右頭で皿に盛られたら、これは違和感大きいですよね。人によっては味や食欲にまで影響するかもしれません。魚というのは左頭に盛りつけることが何故か昔から決まっています。
自転車は進行方向の右側、ギアが取り付けられている方を表と見なしますから、写真を撮るときには焼き魚とは逆の右頭になります。自転車の場合は裏を見せる左頭よりは、右頭の方が美しく見える写真が撮れるのです。が、自転車系のブログやホームページなどをあちこち見ていると、自転車の写真を撮るときに左頭で、裏側を見せている人もなかには居ます。左頭の自転車の写真を撮る人は、魚を食べるときに左でも右でもどっちでも構わないやという無頓着な人なのか、はたまた魚と同じで左頭じゃなければ気に入らないのか…
そこでGoogleを使って遊んでみました。先ずは「チネリ スーパーコルサ」と入力して画像検索してみます。カタカナで検索するのは日本人の結果を調べたいからです。自転車を見せるために撮られたと判断できる写真をトップから100台選ぶと、左頭は4台でした。う~ん、なるほどねぇ。ほとんどは右頭ですが左頭の人も居るね。
つぎに「デローザ ネオプリマート」と入力してみます。おやおや、こちらの方が左頭が多いですね。デローザ乗りには無頓着な人が多いのかな?
もうひとつ「コルナゴ マスターXライト」と検索してみると、こちらもポツポツですが左頭派がいますね。
あれこれ検索していて気がついたのは、フレーム単体での撮影の場合は左頭の比率が高くなること。パーツ類の組み付けていない素のフレームなら、たしかに表も裏もありません。が、自転車は右頭と意識している人ならフレームを左頭で撮影することもないでしょう。フレーム単体の写真をネットにアップしている人の多くはショップの人ですが(フレーム単体を家で撮影出来る人は、かなりのマニアだけでしょうから)、この人たちは魚を食べるときには、どちらに向けて食べているのでしょうね。
比較のために自動車でもやってみました。先ずは「スカイライン」と検索してみますと、表裏のない車なら向きはどちらでも良いはずなのに、やはり左頭の方がかなり多いのです。
次に「SEAT」と検索してみます。スペインの自動車メーカーで日本にはほとんど輸入されていないので、画像をアップする日本人は少ないだろうという判断です。で、結果は4割ぐらいは右頭ですね。
次にスペインの自転車ブランドで試してみます。「bh road bikes」と検索すると、ほぼ欧米人のアップした写真の結果が得られそうで、こちらは100パーセント右頭でした。
どうやら日本人は尾頭(前後)のあるものは、左頭で見たがるという習性というか、文化的な刷り込みがあるんじゃないか、というのがここまで調べてみての結論です。自転車のように表裏があって右頭が美しいものでも左頭で撮ってしまうことに違和感を感じない人が居るのは、このためだとおもわれます。もし自転車というものが日本で発明されたなら、ギアやチェーンやディレイラーは左側に組み付けられて、左頭が表の自転車になっていたんだろうなと想像は出来ますね。
ちなみに私の場合は自転車を絵として撮る場合は、もちろん右頭です。が、ツーリングの記録の場合は、そのときのコースの進行方向に向けて(実走方向で)駐めて風景と一緒に撮りますから、このときは左頭もありです。
写真でに撮られた自転車の向きに関しては以前から不思議だなとはおもってはいたのですが、今日みたいに天気の良い日に、鳥見にも釣りにも自転車乗りにも行かず、こんなヒマなことをしていたのは腰痛のためなのです。参ったなぁ…