EOS5DmarkIIIを使ってみる |
5D3を2日間、貸していただけたのでフィールドに持ち出してテストしてみました。
AFの速度、精度ともに上がったように感じます。秒間3.9コマが6コマへ。連写がRAWで14枚から18枚へ。これで風景写真だけではなく、動物や野鳥の撮影にも使えるようになったといえるかもしれません。が、連写は秒間コマ数が多ければ多いほど嬉しいわけで、できれば7Dと同等の秒8コマは欲しいところです。RAW撮影でのバッファも、36コマを一気に撮れて初めてフィルムに追いつくともいえるわけで、この辺りは単純にフラッシュメモリの価格次第なのかもしれないけれど、もう少し頑張って欲しいですね。
ミラーショックが軽減されています。5D2で1/15から1/60くらいでは、ショックがかなり大きかったので、これは良いですね。ただ、シャッターの音は品無く軽くてイマイチです。あまり気にはしませんが・・・
視野率が98%から100%へ、フォーカシングスクリーンはピントの山は掴みにくいけれどAFで運用するなら、今時、そんなことを言い出すのはおかしいのかな。明るく細部までよく見えるので、構図を決めるには良いファインダーだとおもいます。
モードダイヤルにロックが付いたのは、やっと、という感じですが歓迎。防塵防滴は試していませんが、カタログを信じればこれも歓迎。ただオリンパスの防滴が、あの値段であそこまで出来るなら、フィールドでの使用を考えればもっともっとではあります。
とまあ、5DmarkIIで不満におもっていた部分が、ほぼ改良されたかなと感じました。が、まだ問題のある部分もありそう。
7Dによく似た、新たな操作性はなかなか良いのですが、7Dとはボタンの配置や割り当てがけっこう違うのです。5D3と7Dを両方使う人は多いとおもうのですが、これでは操作を間違え戸惑いそう。5D2と7Dなら、元の配置が大きく違うのでそんなこともないんですけどね。特に右手で操作するボタンやダイヤルは、ファインダーを覗きながら操作をしたいですから、操作性や触感は共通にしてもらいたいです。
細かなことですが、モードダイヤルがロックが付いて勝手に廻らなくなったのに、視度補正ダイヤルは相変わらず勝手に廻ってしまいますね。一度設定すれば滅多に使うことのないダイヤルですから、1D系のようにアイカップを外さないと廻せないようにしてもらいたいです。
とまあ5D2から5D3へは正常進化をしていて、これは使ってみたいカメラだなとおもうのですが、重大な欠陥がひとつあります。価格です。今日時点での最安価格が311,978円です。フルサイズの普及機、コンシューマー機が売りだったはずの5Dが32万!! 5D3やD800Eは売れているそうですから、私の金銭感覚が単に貧乏なのか?、世の中の金銭感覚がバブリーなのか?
5D2のときは22万ぐらいで購入して、これでも高いなぁとはおもいましたが、この辺りが限界かな。ハイエンドのプロ機やレンズは高いのも致し方無しですが、普及機は価格は据え置き、性能は向上でいってもらいたいです。こんな価格ではフルサイズは手が出せないって人が増えてしまいそうです。APS-Cやマイクロフォーサーズが頑張ってはいますが、受光素子のサイズが1/2や1/4というのは、単純に考えても感度1段分、2段分変わってくるわけで、やはり同じ土俵で比べられるものではないとおもうのです。
昨日は5D3を積んで車で一回りしてきました。屈斜路湖近くの畑では、雪の下から秋蒔き小麦が出てきて、ここだけが鮮やかな緑です。畑の真ん中にはオオハクチョウが3羽座り込んでいました。5D3に500mmを着けて覗いてみたら、3羽とも昨年生まれの、まだ灰色の羽根の残った幼鳥です。昨秋にシベリアの繁殖地から渡ってくるときは両親に守られて飛んできましたが、春は子別れの季節で、子供達は独立して群れの一員として北へ帰らねばなりません。
オオハクチョウの子供達を見ていたら、農家の作業場からトラクターが出てきました。小麦の畑に肥料を撒くためです。畑の縁を走ってきて、私の前まで来ると左へ直角に曲がって、広い畑なのにわざわざ最初にハクチョウたちに向かって肥料散布の作業を始めたのです。
農家のやり方は正しいのです。小麦はハクチョウのために作っているのではありません。ハクチョウは草食で小麦の葉を食べてしまいますから、農家にとっては困った相手なのです。カラスもハクチョウも、トウモロコシを食べてしまうタンチョウも、農家から見れば害鳥です。
追い立てられたオオハクチョウの子供達は、湖の方へと飛び立っていきました。これからシベリアまでの長距離飛行に備えて充分な食事をしておかなければなりませんから、オオハクチョウも楽じゃないですね。
クマゲラは在宅中でした。今のところオスのクマゲラがリフォーム中のようで、まだ抱卵はしていないようですが、このクマゲラを脅かすような行為をする人が居なければ、この穴を今年の繁殖に使うことは先ず間違いないとおもいます。