怒っている!! |
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このたびの東北関東大震災で被災された方々へ心よりお見舞い申し上げます。
さて、問題は原発です、天災なのか人災なのか。今後、このコントロール不能になった原発群を押さえ込むことができるのかどうか、いろいろ気になることはあります。
が、今いちばんの問題は、いかにして自分自身が被曝を避けるかということです。放射能は目に見えません。また、核爆弾と違ってすぐに体に影響が現れるわけではありません。が、一定量以上の放射線を被曝すれば、癌になることは科学的に証明されています。晴れた青空の爽やかな天気の日でも、空気中に放射性物質が含まれていれば被曝することになります。また、呼吸や食事で体内に放射性物質を取り込んでしまえば、内部被曝となってさらに体に大きな悪影響を与えます。
福島の原発からの放射性物質がどのように拡散していくのか、この予測モデルデータが一番大事なのです。自分が居る場所に放射線物質が飛んでくるのかどうか、その量はどのくらいなのか、これが予測できれば対処のしようがあります。自分が被曝の危険ににたいしてどう行動するかを考える、もっとも重要な基本データが拡散予測モデルなのです。
この予測モデルアニメーションはドイツのものですが、これを見れば放射性物質が、どのように飛散していくかが一目瞭然です。(トップに張ったデータも、このリンク先も日本時間ではないことに注意してください。また、濃度の濃淡を表す色分けは原発から放出されている放射性物質の量が一定ではないため、放射線量の絶対値を示すものではありません)
これらの図を見れば判るように拡散予測モデルの基本になるのは風向と風速のデータです。日本ではもちろん気象庁がこれらのデータを集めています。ところが気象庁は、この放射性物質の拡散予測モデルを発表していません。これは信じられないことです。ドイツのサイトですら15日には既にこのデータを公表していました。日本の周辺の局地的な気象については日本の気象庁の方がはるかに多くのデータを持っているでしょうから、このような拡散モデルを作ることが難しいとは思えません。実際、気象庁のHPに載っている新燃岳の降灰予測情報と放射性物質拡散予測情報は、灰と放射性物質の差や規模の差はあれ、基本的には似たようなものです。また、気象庁の人たちが、このような拡散予測モデルの必要性や重要性を理解していないはずもありません。とても優秀で素敵な人たちが、気象庁で仕事をしていることを私は知っています。となれば、何故このデータが公表されないのか。理由は2つ考えられます。
ひとつは、環境上の放射能汚染の問題は文部科学省の管轄だから、気象庁には発表する権限が無いという縦割り行政上の問題。
もうひとつは、このデータが公表されることによってのパニックを恐れた政府からの情報統制。
ですが、政府が必要と認めれば文部科学省の頭越しに気象庁に開示を命じることはできるはずですから、やはり2番目のパニックを恐れての情報統制が行われているとしか考えられません。
この情報統制は正しいことなのでしょうか。もし、未曾有の超大型台風が日本に接近しつつあるとします。どう考えても大災害が起こることは間違いないコースです。この場合にパニックを恐れて、台風の進路予報や雨雲のレーダーデータを未公開にしてしまったら、どのようなことが起きるでしょうか。今回の放射能汚染の場合も台風と同じだと思うのです。
パニックや流言飛語というのは、正しい情報が与えられないから起こるのではないでしょうか。まず、国民に正確なデータを与えることが大事でしょう。放射性物質の飛散による放射線の影響を、レントゲンと同じ、とか、CTスキャン一回と同じ、などという非科学的な発表の仕方をする政府など初めから信じていません。正しい情報さえ与えてくれれば、どうするかの判断は自分たちでしたいとおもいます。
内閣府と気象庁へ、福島第1発電所からの放射性物質の拡散予測モデルを公開するよう要求しましょう。
内閣府
https://form.cao.go.jp/bousai/opinion-0001.html
気象庁
https://jma-net.go.jp/cgi-def/admin/C-101/opinion/postmail.html
さて、政府や行政がすぐに動くとも思えませんので、それまでは手に入るデータで自己防衛しなければなりません。最低限必要な情報は、今後の風速や風向のデータと、各地の放射線モニタポストのデータです。これらを組み合わせることで、どの程度の量の放射性物質が、どの方向へ拡散していくのかの大雑把な予測が出来ます。
風向と風速のデータはGPV気象、ここがいちばん見やすいようにおもいます。気象庁が出している気象数値データを見やすいように図式化したサイトです。
放射線モニタリングポストのデータでは、いちばん見やすいのはグラフにマウスを重ねることによって詳細情報が判る放射線測定情報。
また、文部科学省のトップページにもリンクがあります(ここまでやるなら、なぜ拡散モデルデータを出さない?)
こちらは、各原発でのモニタリングポストや、個人でガイガーカウンタを持っている人たち!!のデータを纏めて見られるサイトです。
以下は今回の原発事故について参考として見ておく方が良いとおもうサイト。
中部大学の武田邦彦教授のサイト
原発問題を中心に取材してきたノンフィクションライターの広瀬隆氏へのインタビュー1.2.3.
東芝の原子炉格納容器の設計者、後藤政志氏の解説
内部被曝について(このサイトの主はどんな方なのでしょう、実にユニークかつ魅力的な人に思えます)