2010年 09月 04日
釧路市東部、自転車散歩 |
台風崩れの熱帯低気圧が過ぎ去って、今日は朝から天気が良い。またまた昼間の気温が上がりそうなので、釧路に買い出しを兼ねて自転車を持って行った。釧路で避暑の2回目なのだが・・・大ハズレ。低気圧が東の海上に去ったから、今日は北風なのだ。釧路の街の前の海は冷たいのだけれど、冷気は北風で沖へ沖へと押し流されていく。オホーツク海側からの山越えの風はフェーンもあって暖かい。この時期の釧路の街としては異常な暑さといってもいい、といっても気象庁の公式温度計の記録では最高気温は23度なのだけれどね。
ショッピングセンターの駐車場に車を止めて自転車を出す。今日は散歩だからノンビリと釧路の街の東部をめざす。釧路の街は大きく分けると西部、中央部、東部に別れていて南は太平洋、北は釧路湿原だ。経済活動的には西部は製紙工場や工場群。中央部は漁業、東部は炭鉱なのだけれど、炭鉱は国策によって炭鉱夫が全て東南アジアなどからの外国人労働者に入れ替えられてしまったから街にお金が落ちない。炭鉱は稼働していて採炭量は維持しているのに、寂れた炭鉱町なのだ。
そんな炭鉱町の路地を自転車であちこち走ってみるのは、それはそれで楽しいのだけれど、住んでいる住人にとっては困ったことなのだろうとおもう。東へ東へと進んでいく。途中、千世の浦の釣り公園へ寄って、炭鉱を過ぎれば桂恋の漁港だ。ここはもう釧路の街の東の外れなのだ。
釧路から東へ行く道は、メインは根室に行く国道44号線。その東側の国道44号と海岸との間に昆布森経由で厚岸までの道道がある。ところが桂恋から昆布森までの中間地点ぐらいまでは、もう1本さらに海岸ギリギリを走る細い道があるらしいのだ、これは知らなかった。今日はこの道を探索してみよう。
厚岸への道道沿いには全く家はないのだけれど、この海岸線沿いの細い道沿いにはけっこう家がある。そのほとんどが昆布漁師の家のようだ。道の両側には玉砂利を敷き詰めた昆布干し場が広がる。海岸線は高さ数十メートルの崖で、その下が狭い砂浜で海が広がる。崖の上から見おろすとギッシリと昆布が茂っているのが判る。
獲った昆布をどうやって崖の上の昆布干し場へ運ぶのか? たぶん昔は崖の細い道を担いで上がったのだろう。今はなんとロープーウェーなのだ。崖の上から海岸へ、何本もの昆布運搬用ロープーウェーが掛かった景色が珍しい。
海岸沿いの道は細くうねうねとしてアップダウンも多い。短い登りだけれどもインナー&ローになってしまう急坂も出てきて、ジリジリと背中を日に焙られて汗が噴き出す。そんな上り下りをくり返していたら、なんと向こうから路線バスが走ってくるのにはビックリ。そうかぁ、道道が新道で、この道が旧道なんだろう。
最後の又飯時(マタイトキ)の部落から急な登りで内陸に入って道道に出る。右に行けば昆布森、左に行けば釧路市街へ戻る。昆布森までは僅か3キロほどだけれど、昼時で腹が減ったし、今日のお客さんの夕食用の買い物もしなければならない。昆布森の集落に昼飯が食べられる店もあるかどうか判らないから、今日はここまでにして釧路へ戻ることにした。帰り道は道道(通称、北太平洋シーサイドライン)経由、こちらはアップダウンも緩く快適にアウターだけで走れる。最後のパーキングエリアからは釧路東部の市街地が一望できた。
釧路の炭鉱地帯は、あまりにディープな世界なので、またの機会にカメラを持って、じっくり時間を掛けて廻ってみるつもり。
by troutinn
| 2010-09-04 21:22
| 自転車