2010年 09月 02日
屈斜路湖情報 -9 |
屈斜路湖をひとまわり、様子を見てきました。なにせ昼間の気温が30度近くまであがる、この地方としては異常な状態が続いていますから、湖の表面水温もまだ下がってくる気配がありません。
それでも少しずつは季節は進んでいて、湖畔の森の中ではキノコが目立ちます。高温多湿という状況が続いていますから、この秋はキノコは楽しめそうです。
気温が高いのは昆虫たちにとってもプラスになることが多いのでしょう。今年は蝶やトンボの数がとても多く、クワガタなんかも例年より多く見かけました。秋の落下昆虫を考えると、これは良さそうな兆候です。
湖畔林ではハンノキの葉の虫による食害が目立ちます。特に湖の東側のコタンから仁伏地区にかけてがひどいようですが、湖畔林道側も数年前ほどではないですが、かなりひどく葉を喰われてしまった樹もみかけました。
穴だらけの葉を捜しても、葉を喰った虫は全く見つかりませんから確証はないのですが、たぶんハンノキハムシが大発生しているのだろうと思います。ハンノキハムシなら今は幼虫が地上に降りてサナギになっているはずで、このあと成虫になって現れます。イタヤカエデの葉は全く喰われたあとが見あたりませんでしたから、イタヤハムシは少ないでしょうし、10月後半の紅葉が、より美しくなるでしょう。
水温が高いのは魚の岸寄りを遅らせる原因にもなりそうですが、アメマスはともかくニジマスは餌さえ豊富なら表面水温が20度近くとも岸寄りすることはあります。
また、今年の秋の釣りが良さそうと思えるのは、今年は雨が多く湖の水位が高いことです。一昨年の秋などは雨が少なく渇水常態で、水際が2〜3メートル前進してしまった場所が多々ありました。落下昆虫は文字通り樹から落下するものが多く、湖に張り出した木の枝から落ちるものを魚たちは食べています。大方の落下昆虫は満水時の湖岸線から5メートル以内に落ちますから、水際が2〜3メートル前進すれば計算上は湖に落ちる虫の数は半減することになります。一昨年の秋の釣りの不調の原因のひとつはこれじゃないかと思っていますが、今年は満水ですから張り出した枝から落ちれば湖、という魚には嬉しい状況ですね。
マイナス要因があるとすれば、ウグイやワカサギの稚魚が、これも今年は凄い数になっていることです。まだ数センチと小さいので落下昆虫を食べることはないでしょうが、ユスリカには大きく影響すると思われます。この2年ほど、秋のユスリカの量が極端に少ないのは、この稚魚たちのためと思われます。
ワカサギが増えてきたために魚食性の強いニジマスも増えてきていて、春のモンカゲロウシーズン前は浅場で小魚を喰うニジマスが数多く見られました。秋の落下昆虫の釣りでストマックから小魚が出たことはまだありませんが、これからは、秋の釣りでも小魚を意識したフライも必要になるのかもしれません。
キリギリスな私は、釣りに行く寸前に必要なフライを幾つか慌てて巻いて行くことも多いのですが、そこは現地の強みで、何を巻いて行ったらいいか目で見て判っていますから、これでもけっこう釣れてしまいます。
が、遠方から来られる方はそうはいかず、前もってフライを用意し巻かなければなりません。どんな虫が今年の秋の屈斜路湖の主役になるのかは、まだ判りませんが、巻いて用意しておけば、ほぼ万能に効くのが備前さんの巻いている#16~#18のビートルの様なフライです。(インジケーターが黒いものに注目!! 湖での視認性が抜群によいのがこのタイプ) このくらいのフックサイズとなると、べた凪では6Xまでティペットを落とさなければならない場合もあって、秋の50センチを越えるパワフルなレインボーと浅場でやり取りするのは、もう考えただけでもスリリングなゲームになるのがたまりませんね。
by troutinn
| 2010-09-02 09:16
| 屈斜路湖情報