定番 |
通販で買ったショルダーバッグが届いた。英国Brady社の釣り用バッグ ARIEL TROUT S、実はこのバックを買うのは4回目、4代目のバッグなのだ。最初に購入したのは二十歳ぐらいの頃だったとおもう。当時、もうフライフィッシングは始めていたけれど、このバッグは釣りに使うのではなく街用として使っていた。
その頃は仕事で本をたくさん持ち歩くことが多かったし、神田の古書店街への本の買い出しなどにも重宝して、このフィッシングバッグをほぼ毎日使っていたから、4~5年も経つとショルダーベルトはすり切れ、生地には穴が空いてしまうのだった。それでも手頃なサイズと、使い込んでからのバッグの持つ雰囲気がとても気に入っていて、傷めば買い換えてきた。当時の日本での販売価格はとても高価だったから、買い換えは英国に住んでいた友人に頼んで送ってもらったこともある。
3代目のバッグが傷み始めた頃に北海道へ移住した。北海道に住むようになってからは、このバッグを使うことは減って、出番は年に10日もあればという状況が続いてきた。それでもバッグは少しずつ傷み続け、ショルダーベルトがすり切れてきた。
写真のバッグの下のウェアは、米国SIERRA DESIGNS社の60/40マウンテンパーカー。1968年にアメリカで発売され、いまだ売り続けられている超ロングセラーのアウトドアウェアだ。日本でも70年代のアウトドアブームに乗って、当時は多くの若者たちがファッションとして着ていた。
私がオレンジ色の60/40マウンテンパーカーを最初に買ったのが何時なのか、はっきり覚えていないのだけれど、高校に通学しているときに着ていたのは確かだから70年代半ば頃だろう。
写真に写っているパーカーも同じ色で買い換えてきて、これも実は4代目なのだ。袖口がすり切れ、肘に穴が開いたら交換だ。ただ、バッグよりは使用頻度も少ないから痛みも少なく、本来なら今は3代目のはずなのだが、10数年前、3代目は購入して1週間も経たないうちに晩秋のススキノの街のどこかの飲み屋に忘れて無くしてしまったのだった。
このあいだ、2月の末に東京へ数日行く用事があって、このマウンテンパーカーとバッグで釧路空港から出掛けた。時間があったので久しぶりに神田の古書店街も歩いてきた。古書店のショーウィンドウに写る己の姿は、パーカーとバッグは30年前とまったく変わらないのだけれども、白髪混じりの中年のおじさんそのものだ。
東京行きのときのバッグはボロボロの3代目だった。古書店で買った本を何冊か入れて懐かしい神田の街を歩いているときに何故か、もういちど買い換えよう、とおもったのだった。