2009年 12月 10日
巨大テントウムシ |
今年はテントウムシが大発生しました。秋には越冬地を探すテントウムシが群れ飛んで、山側の日当たりの良い農家の家の白い壁の色が集まったテントウムシで遠目にはグレーに見えるほどでした。
テントウムシは成虫のまま冬を越します。大きな集団で木の皮の裏などで越冬するのですが、暖かな家の中を越冬地にしようと入り込んでくるテントウムシもたくさん居ます。外で冬越しすればマイナス20度にもなりますが、古い農家の屋根裏等なら、せいぜいマイナス数度でしょうから、たぶん仮死状態で越冬するであろうテントウムシにとっても、この温度差は大きいのでしょう。
が、最近の全館暖房の家はテントウムシには暖かすぎます。「鱒や」の中に冬越しのために入ってくるテントウムシもけっこう居るのですが、薪ストーブの暖房で天井付近の温度は25度近くにもなるでしょうから、この辺りの真夏の気温です。この温度になるとテントウムシは寝てなどいられず動き出してしまいます。が、家の中にはエサになるものも水分もありませんから、やがて干からびて餓死してしまうのです。このところ朝の掃除で干からびて死んだテントウムシを毎日見つけます。
見つかるテントウムシは、ほとんどがナミテントウという虫で、これが一般にテントウムシと呼ばれる種類の虫です。色や星はバラエティがあって、黒字に赤かオレンジの星、オレンジ地にくろの星など、羽の模様だけでは同じ種の虫とは思えないほどです。屈斜路湖で落下昆虫として魚たちに食べられているテントウムシのほとんどが、このナミテントウです。
今朝の掃除でも数匹のナミテントウを見つけたのですが、なかにひとつ巨大なテントウムシが居ました。大きさは12〜3ミリありますから、6〜7ミリのナミテントウと比べたら、体重差なら少なくとも5〜6倍以上は違いそうです。
これはカメノコテントウというテントウムシで国内最大の大型テントウムシですが、見かけることはあまりなく珍しいテントウムシです。ナミテントウの幼虫は、主にアブラムシを食べます。アブラムシはどこにでも居る虫ですし、農家の作物の葉を食べるの害虫ですから、ナミテントウは農家から見れば益虫でもあります。
カメノコテントウはかなりの偏食で、幼虫のエサになるのはクルミの木の葉を食べるクルミハムシの幼虫だけです。つまりクルミハムシの居るクルミの木でしか、カメノコテントウは生きていけないのです。
「鱒や」の庭には数本のクルミの木がありますから、今朝の掃除で見つけたカメノコテントウも、このクルミの木に依存していたのでしょう。
屈斜路湖の湖畔にも、数はそう多くはありませんがクルミの木はあります。これまで水面に落ちて浮いているカメノコテントウを見たことはありませんが、落ちて魚に食べられている可能性はじゅうぶんあると思えます。
秋の落下昆虫の時期は魚は偏食することは少なく、水面に落ちている虫ならなんでも食べることが多いようですから、ニジマスも、ナミテントウは喰うけどカメノコテントウは喰わない、ということはないでしょう。となると来シーズンの落下昆虫の時期には、これまでみたいに小さなテントウムシでなく、ふたまわりほど大きなテントウムシのフライを使ってもよいわけで、これはローガンの釣り師には助かるなぁ。
余談だけれども、スレッドのラベルって剥がれ落ちやすいですよね。糸の色は見ればすぐ判るけれど、糸の太さは6/0なのか8/0なのか判りにくい。プラのボビンの色を6/0が黒なら8/0はグレーとかに替えてくれればいいのに、とン十年も前から思ってるのだけどな。
1Dmark3+EF100マクロ
by troutinn
| 2009-12-10 10:47
| 自然