シマエナガ、コヨシキリ、エゾフクロウ。 |
私の時間に余裕があるときには撮影・観察ガイドだけではなく、地元のグルメから、お土産購入まで(今日も撮影の合間の昼前には、市場の馴染みの店にお連れして、旬のトキシラズの良いものを安く買えるよう案内もしました)お客様の希望に添えるガイドを行っています。
で、今日の最初の撮影は、今回の撮影ツアーのメインのシマエナガの営巣です。混んだ枝の奥に巣を作ることが多いシマエナガ、こんなに見易い場所に巣を作ってくれるなんて驚きです。蜘蛛の糸、苔、鳥の羽毛などを材料にして作られた巣は、ベースになった木の枝と同化する見事なカモフラージュで、このようなオープンな場所に作られていても、探して見つけるのはとても難しいかとおもいます。
シマエナガは両親だけではなく、ヘルパーもまた子育てに参加することが知られて居ますが、今日見ていた限りでは、どうやらここでは両親だけで育てているよう。5~10分おきにアオムシなどの餌を運んできますが、必ず2羽でほぼ同時に餌を持ってくること。餌をヒナに与えるときに、両親それぞれが枝に止まる位置が違うのですが、それも必ず枝の向こう側に止まる親が先に餌を与えて、次に枝のこちら側に止まる親が餌を与えています。一緒に来ることや餌を与える順番に決まりがあることが、何を意味するのかは分かりませんが、見ていた小一時間の間にこのパターンは全く変わりませんでしたから、面白いです。
それにしてもシマエナガの両親の薄汚いこと。冬の真っ白でフワッとした綺麗なシマエナガとイメージがまったく違います。子育ての時期の羽色が元々こうなのか? 子育てで汚れてしまっているのか? ヒナの方も真っ白ではなく、目の周りなどが黒っぽくて内地のエナガのヒナのようです。これはたぶん育つに従ってだんだん白くなるのでしょう。
シマエナガのあとはちょっと湿地へ。アシの新芽の緑の葉も下から伸びつつありますが、まだ枯れた昨秋のアシが立ち枯れたままで、その中のあちこちでコヨシキリが大声でさえずっていました。アシの中に埋もれるように止まって鳴いていますから、なかなか姿が見えませんし、見えても撮れる写真は枝被りならぬアシ被りになってしまいます。がそんな写真も、らしくて、良い感じではあります。
市場でのお土産購入と昼食の後はエゾフクロウの子供たちを撮りに行きます。
今日は2カ所。まず最初に行った場所はエゾフクロウの子供たちは2羽で、枝の上で羽ばたいたり、よちよちと枝から落ちそうになりながらも枝渡りで歩いてみたり、見ていて飽きません。
父親なのか母親なのか一羽の親もすぐ近くの木の枝に止まっていましたが、子供たちのよちよち歩きを気にするふうでもなく、撮影に来ている私達を警戒するふうでもなく(というより、ほとんど無視)時々、子供たちを確認しながらも、うつらうつらしているように見えました。
もう一カ所のエゾフクロウの子は1羽だけです。兄弟はどうしたのか? 初めから1羽だけだったのか、兄弟はカラスにでも襲われてしまったのか…。
こちらの子は止まった枝の上でほとんど動かず、寝不足のような目でこちらを静かに見ているだけでした。
この1羽だけの子の親は何処に居るのでしょう? ふつう、このぐらいの大きさのフクロウの雛の場合、それほど離れていない場所で少なくともどちらかの親が見守っているはずなのです。グルッと周りを見回しても親フクロウの姿がありません。
どうしたのだろう? とおもっていると背後からボッ、ボッって小さな声が聞こえてきます。振り返ると何とすぐ近く、途中に邪魔する木など全く無しで10mも離れていない場所にエゾフクロウが木の枝に止まっています。止まっている高さも5mもなく、しっかり目が合ってしまいました。フクロウは警戒する様子などは全く見せません。先ほどのボッ、ボッって小さな鳴き声は、
「ったく、なに捜してんのよ? アタシはここに居るよ」って言っているような気がします。カメラを向けたらウィンクされてしまいました。
「鱒や」に宿泊の方限定とさせて頂いておりますが、ご希望があれば野鳥や野生動物、風景などの写真撮影のガイドを行っております。単に撮影や観察だけではなく、お客様のご希望に添って柔軟なガイドを心掛けております。ガイド希望の方は電話またはメールにて問い合わせください。
ガイドの時には大きなレンズや三脚は持って行かないので、今日の日記に載せた写真は全て7D+100-400で手持ちで撮影です。クリックすると大きく見ることが出来ます。
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