キタイイズナ -5 |
今朝5時でマイナス3度と暖かく、撮影ポイントに着いた5時25分にはもうイイズナが姿を見せました。どうやら塒から起きてきたばかりのよう。その後のイイズナの行動を見ると、今日は猟場をここと決めていたとしか思えないような動きでした。現れた場所から真っ直ぐ20mほど離れた目的の場所へ、例の高速行きつ戻りつを繰り返しながら進み、それからは僅か10m四方ほどの緩い斜面に生える木の根本から出たり入ったりを繰り返します。どうやらここが今日の猟場のようで、入った木とは別の木の根本から出てくることも多く、50~60cm積もった雪の下、地面との間を移動しているようです。
5時30分に、2匹のネズミが木の根本から出てきて斜面を駆け下ってきます。イイズナを恐れて逃げ出したようです。イイズナの速さに慣れた目からはネズミの走る速度は遅く見えて、ヨタヨタと駆け下りてくるといった感じです。と、ネズミが出てきた穴からイイズナも飛び出して4mほど追いかけた場所で高さ30cm程の雪の吹きだまりの影の向こうに2匹が消え、ネズミの叫び声が聞こえてきます。ネズミはいったんはイイズナから逃れて吹きだまりを越えて更にこちらへ走ってきますが、そこで追ってきたイイズナに後から組み付かれます。私が立っている場所から僅か8m程しか離れていません。
そこで雪の上で転がりまわりながらも、イイズナはほぼ自分と同じような大きさのネズミを四肢で抱きかかえるように押さえ込み、ネズミの首筋に噛みつき、これでネズミは動けなくなりました。
ネズミに組み付いてから動けなくなるまで僅か3秒弱の格闘でした。私は7Dが修理に出ているので5Dmark2ですが、暗くてAFが迷い捕らえることが出来ず、画面中央でボケボケの格闘シーンを2コマ押せただけです。
同行の愛知県から来られている福島さんは1Dxの秒間10コマ連写で20コマ見事に捕らえていました。いい腕ですね。
福島さんの撮影した、イイズナが逃げるネズミに追いついて後から組み付いた直後、20連写の1コマ目の写真を今日はお借りして掲載します。冬毛の真っ白なイイズナがネズミを狩るシーンをここまで明確に連続撮影できたのは、もしかしたら初めてのことかもしれません。非常に貴重な記録写真ですから、あとで何処かで発表するということになるでしょう。
イイズナは2メートルほどネズミを咥えて運んで、そこでとどめを刺してから、木の根本の雪の中へ引きずり込みました。これが5時32分です。これで雪の下でネズミを食べるだろうから今日の撮影もこれで終了かとおもったのですが、違いました。2分後には外に出てきて、6時半近くまでまた狩りを続けたようですが、その後は狩られたネズミはなかったようです。イイズナは狩ったネズミを置いてある木の根本の雪穴に入ると、もう出てこないのでした。
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