XF90mm、切原牧場のネコたち |
年末のキャッシュバックキャンペーンにまんまとハマって購入したXF90mm、写りが驚異的に素晴らしいのはテスト撮影で確認済みですが、そのあとは余り使っていません。135mm相当のこのレンズでポートレートを撮らせてくれるモデルもいないしなぁ…と、何を撮ろうか迷っていたのですが、これだ!!っと一週間ほど前におもいつきました。
毎日、搾りたての牛乳を分けて頂いている隣の切原牧場、さいきんネコが増えているのです。切原牧場で公式に飼われて餌を貰っているのは、代々タマを襲名する1匹だけのはず。ところが牛乳を取りに行くときに、この何代目かのタマの他にも、やたらネコを見かけるのです。
道東では野良ネコは生きていけません、冬が寒すぎるのです。夏は野ねずみや野鳥などを獲って暮らしている半ば野生化したネコたちも、冬は人の生活からのおこぼれで食べていくしか有りません。酪農地帯では厳寒の冬は牧場に依存することによってネコたちは生きていくことが出来るのです。
先日、牛乳を取りに行ったときに切原牧場の奥さんに訊いたところ、
「何時の間にか増えちゃったのよねぇ、7匹も居るのよ」
とのこと。切原牧場公認飼い猫のタマ。あとは居候で1匹は真っ黒で大きなヤツ。1匹は真っ白で、残りの4匹は母ネコと去年生まれの子ネコ3匹の親子で、この4匹とタマはキジです。
タマ以外は「鱒や」の庭でも夏は野ねずみ狩りに来ているのは見かけています。昨夏はキジトラの母ネコは、何処で産んだのか幼い3匹を連れて「鱒や」の庭に姿を見せていて、でも写真を撮ろうとすると子供たちもものすごく警戒心が強くて直ぐに逃げてしまい、全く撮らせてくれないのでした。
このところ牛乳を取りに行くたびにネコたちに愛想を振りまいておいて、これで少しは警戒されなくなっただろうと、今日は撮影本番です。牛乳を貰いに行くついでにX-E2とXF90mmを持っていきます。
この半野生化したネコたちが冬に牛舎を好むのには訳があります。先ずは牛舎の中が暖かいこと。搾乳される牛たちが入っている牛舎は、もちろん壁に断熱材など入ってはいないのですが、外がマイナス20度、25度になっても、50頭居る搾乳用のホルスタインのお姉さん方の体温で、牛舎内が氷点下になることなどありません。真冬は雪も多い時期は、昼間でも牛たちは外に出ることなく繋がれたままですから、牛舎の中に居る限りは寒さに震えることはないのです。また、搾乳機材を洗浄するための湯を沸かす灯油ボイラーの上は温かくて、ここは特にネコたちのお気に入りのようです。
牛舎は餌も豊富です。こぼれた牛乳や出荷できない初乳などを飲むことが出来ますし、牛に与えられる配合飼料がこぼれて、それをネズミやスズメが食べに来ますから真冬でも狩りも出来ます。
写真を撮ろうとすると警戒されてしまって、野生の仔ギツネを撮るより難しいほどでちょっと慌てます。それに今日は快晴で、冬とはいえ日差しと雪の照り返しは強く、また牛舎の中は薄暗く、明暗が強すぎて撮影に向いた環境でもありません。で、カラーでは厳しそうなのでモノクロで撮ってみることにしました。
巷でネコ写真は流行っているようですが、でもネコの撮影がこんなに愉しいとはおもいませんでした。野生ではないにせよ、やはり動物写真撮影の難しさと面白さはネコでも共通するようです。フィールドに出掛ける時間が無いときには、今日は逃げられてしまった黒ネコも撮りたいし、ネコたちを相手に遊べそうですね。
写真はクリックすると大きく見られます。X-E2にXF90mmで、でも相手がネコですから今日はトリミングは無しとしました。(野鳥の場合はトリミングは多用せざるを得ないのです)
久しぶりのモノクロで、私はネオパンSSの時代ですが、ACROSのフィルムシミュレーションモードがあるX-pro2がちょっと気になります…。