釧路自転車散歩 |
冬の北海道の道路では、路面凍結を防止するために、もうこれでもかというほど凍結防止と融雪のための塩カルを撒きます。このため車が真っ白に粉を被ったようになるほどで、車体下側や内部の防錆塗装は必需なのです。昨夏購入したジムニーの防錆塗装タフコートは施工後1年、以後は2年おきに定期点検を受ければ永久保障なんだそうで、納車ほぼ1年後の今日、釧路まで点検に持って行くことにしました。点検には4〜5時間かかるとのことだったので、その間の時間潰しに自転車を持っていくことにしたのです。ジムニーだと前輪を外したぐらいでは自転車は収まらないので、こんなときはデモンターブル(フレーム分割式)のツーリング車の出番です。今年の春の旅行以来のバラシでしたが10分ほどで輪行袋に詰めて準備完了です。
ニュースだと今日は日本中が暑くなるそうで、旭川でさえ予想最高気温が33度!! (実際には美幌ですら35度まで上がって、日本中が狂ったように暑い一日となりました)ところが釧路の予想最高気温は21度なのです。いったい釧路は日本なのでしょうか?
今日の釧路の天気は、この時期の釧路の街らしい海からの霧と、地元民がジリと呼ぶ細かな霧雨でしたが、雨雲があるわけではなく、ときどき薄日も差します。タフコートの工場でジムニーから自転車を降ろして組み立てて、霧の中を釧路自転車散歩に出掛けました。
先ずは釧路西港です。昔は東京からのフェリーもあって旅人の利用も多かった西港ですが、今は貨物専用港です。港の一角には釣り人がズラッと並んで糸を垂れています。狙いはカラフトマスなのですが、釣り人に尋ねたところ、向こうの人が朝、2匹釣ったよとのことで、どうやらほとんど釣れていないようなのです。今シーズンはカラフトマスが遅れている上に、回帰する量も少ないようですね。
西港からは中心部の釧路駅前の和商市場へ向かいます。自転車なので仕入れは出来ないのですが、午後になると良いものは売り切れてしまうので、馴染みの魚屋を廻って、よさそうな魚を押さえておいて、車の点検を終えてからあとで取りに来ようという算段です。
ここで、今シーズン初のサンマを購入。つい先日までは痩せた小さなサンマが700円とトンデモな価格の不漁だったのですが、ここへ来て大型船の棒受け網漁もはじまって、値段もこなれて来て大きなものが1匹200円でした。まだ漁場が遠いので鮮度はイマイチではありますが、まあシーズン最初のご祝儀買いみたいなもので、これは塩振り焼と刺身にしましょう。
次は大羽鰯です。これは見事なものが1匹50円と格安です。釧路の魚というとサンマがまず最初に思い浮かびますが、20年前までは釧路といえばマイワシだったのです。その後パッタリと漁がなかったのですが、今年は好調に獲れていて脂もたっぷりのって、もしかしたらサンマより美味しいかも。大羽は刺身と、梅干しと一緒に煮魚にします。
もうひとつが鯖です。マサバもゴマサバも獲れていて、脂ののりならゴマサバだけれど味はやっぱりマサバかな。抜群の鮮度の大きなものを1本、あとで取りに来るからねと取っておいてもらって、これはシメサバにして焙って食べるつもり。ついでに花咲ガニも味噌汁用に確保。
市場を出たら幣舞橋へ、海からの霧で幻想的な眺めです。ここから釧路の昔のメインストリート、今は当時の面影もない南大通りから、陸へ上がって米町辺りの旧市街をポタリングです。南大通りの古いスポーツ用品店のショーウィンドウは絵に描いたようなレトロさで、いかにも釧路の街らしいスケート用品が並んでいました。もっと、あちこちでカメラを出して写真を撮りたいのですが、自転車で走っていると霧のツブを感じるほどで、服もシットリ濡れてきて、なかなかカメラも出せません。
ぐるっと廻って、もういちど幣舞橋で釧路川を渡り今度は北へ向かいます。昼飯時で腹も減ってきたのでいつものガストーラへ。途中、駅の地下道で南口より更に寂れた北口へ出たら旨そうな匂いがしてきます。炭火のホルモン焼き、かなり惹かれたのですが飲めないのにホルモンもないよなぁ・・・と諦め。
予約なしで入れるかなとおもったガストーラですが甘かった。店は満席でしたが、マダムが1時過ぎなら席が空くので取っておきますとのこと。30分ほど近所をまたポタリングしていたら、幼稚園の子供達が公園の池で水遊びをしていました。この時点で釧路の気温は21度でしたが蒸し暑い。内地なら21度で水遊びなんて考えられませんが、釧路で21度は、これはもう真夏の暑さなんです。釧路っ子たちは水を跳ね上げて大騒ぎでした。
ガストーラでノンビリ昼食です。前菜は鮭のアラで出汁を取ったビシソワーズ、枝豆たっぷり入り。主菜は伊達鶏の香草塩焼き、ズッキーニ添え。これに自家製のパンとエスプレッソコーヒーでランチセットです。たかだか15キロ程しか走っていないのに何故か腹が減って、何時もは手を出さないデザートも頼んで、プルーンとブルーベリーのタルトで締めました、満足満足。
最後の客だったのでシェフとしばらくお喋りして、これは美味しいですというスペシャルな塩漬けイクラの作り方を教わってきたので、近いうちに試してみましょう。あとは10月末の貸し切りパーティーのメニューを何にするかで、やっぱりエゾシカかなぁ、あとは牡蠣か・・・。まあ、まだパーティーまではしばらく時間があるので、また(何回か)打ち合わせに来ましょう。ちょうどいい時間になったので、新富士駅近くのタフコートの工場まで腹ごなしのひとっ走り。すでに作業は終わっていて、大急ぎで自転車を分解して袋詰めです。
米国のS&Sカップリングを使ったデモンタフレームは国内では東叡社とあと1社しか加工ライセンスをもっていないのですが、重量増は僅か250グラムで、泥除け付きのツーリング車、特に最近の手元シフト車の輪行には最適です。デモンタ化は今乗っている自転車の持ち込みでも(時間は掛かるかもしれないけれど)可能ですから輪行サイクリングが多い人にはお勧めですね。
手際よく10分もかからずに分解終了、袋詰め完了してジムニーに積み込み、さあ急いで和商市場へ行って魚を回収してこなきゃ。