2012年 06月 06日
チネリ スーパーコルサ シェイクダウン |
1958年から未だ造り続けられているチネリのスーパーコルサ。スチールのロードレーサーフレームです。釧路の自転車店にパーツ組付けを依頼していたのが完成したので、今日、仕入れのついでに受け取ってきました。
このフレームが最も活躍したのはローマや東京オリンピックの頃で、日本に最初にスーパーコルサを持ち込んだのは、ローマオリンピックを観戦に行った力道山なのだそうです。
55年の歴史を持つ伝統のフレームではありますが、じつは素材のスチールチューブの材質は昨年の代替わりですでに5代目です。初代はレイノルズ社のマンガンモリブテン鋼の531(0.8-0.5-0.8)。2代目以降はコロンバス社製で、クロモリ鋼のSLとSLX(0.9-0.6-0.9)。ニバクローム鋼のNEURON(0.7-0.5-0.7)そして最新の5代目のニオビウムSLはトップチューブの厚みは0.8-0.5-0.8mmです。今やロードレースの主役はカーボンフレームで、もう鉄の時代に戻ることはないでしょうが、それでも進化し続けているスチールフレームというのも凄いですね。
釧路からの帰り道、塘路湖周辺でシェイクダウンです。この辺りは車の通行量の少ない快適な道が、ゆるいアップダウンで続いていて、実にロードレーサーで走るのに向いた地域なのです。駐車場に車を止めて自転車を組み、レース用のニッカーパンツとジャージに着替えて走ります。先ずは工具を並べておいて、ちょっと走っては戻りながら、ハンドルバーの高さと角度、サドルの高さと角度、ペダルのビンディング開放強度を調整していきます。驚いたのはサドル高さで、予定より7mmも高くてちょうど良い具合なのです。これなら10mm大きなフレームでもよかったかも。ハンドルバー周りのセッティング、特にエルゴレバーの位置にいまいち不満があるのですが、パーツの組み合わせによる制限もあるので、この辺りは時間を掛けて、あれこれテストしながら直していこうかとおもってます。
調整が終わったら試走開始です。体を温めながら、だんだんと速度を上げて行きますが、当然と言えば当然ながら実に快適かつスムースで、走りながらおもわず微笑んでしまうほど。スチールフレームの柔軟性もあるでしょうが、純レース用のオープンサイドタイヤとラテックスチューブの組み合わせが、しなやかな乗り心地に寄与しているようですね。
嬉しかったのはサドルで、このロードレーサーには似合うだろうと、これまで使ったことの無かった準クラシックなサンマルコ社のリーガルを付けてみたのですが、これが尻にピッタリで全く痛くなりません。チタンフレームとはいえ、今時のサドルに比べるとかなり重い方なのですが、でもこの快適さなら文句なしです。
ロードレーサーと呼ぶからには美しくなきゃいけないとおもっていますし、だから今回はコンパクトクランクは避けて、今時のホビーライダーには珍しい52x39のノーマルクランクを使いました。でも後は13-26の10速もあるし、山や峠にさえ近づかなければ私の貧脚でもOKでしょう。どうしても峠に行かなきゃならないときにはコンパクトクランクのカーボンロードバイクで行けば良いんですからね。
でもなぁ、なんで皆あんなに峠が好きなんでしょう。ツーリング用の自転車なら峠越えも嫌いじゃないですが、ロードレーサーだったらゆるいアップダウンの道を風になって高速で走る方が、はるかに楽しいとおもうんだけどな。
今回のスーパーコルサは、数時間ぐらいまでの近所の高速自転車散歩と、ツーリングに備えてのフィジカルトレーニング用です。カーボンバイクはどうも相性が良くないようで今やローラー台専用機になっちゃってますから、この美しい細身のスチールフレームに活躍してもらわなければなりませんね。
by troutinn
| 2012-06-06 23:49
| 自転車