巨大魚退治 |
先ずは崖の上から覗き込む。ところが28日の時と比べると光線の具合も悪いし、水に濁りもやや入っていて、魚が確認できない。アメマスもボーッとシルエットが見える程度で、前回のクリアな水とはえらい違いだ。
が、見えないからといって巨大魚がいなくなったともおもえない。どのみち釣りの出来る崖の対岸の河原からなら、魚を直接見ることは難しいだろう。よし、釣りはじめよう。
リーダーは1X、ティペットは2Xを用意した。ロッドは6番で太刀打ちできるとはおもえないけれど、魚の入っているプールには倒木は沈んでいないし、見える範囲の上下500メートルくらいはフラットな流れで浅く河原も広い。バッキングは150ヤード巻いてあるから、フッキングできればなんとかなるだろう。自家製の浮力にあるインジケーターをつけて、先ずは#14のビーズヘッドニンフを結ぶ。
一投目からアタリがでた。口の周りが黒い60センチ超えのアメマスだった。さらに釣り続けた。さて、その後どうなったか?
もしかしたら、と予想していた最悪の事態?になってしまった。もう、ひたすらアメマスが釣れ続くのだ。サイズは40センチから、大きいのは70センチを超えていたであろう。大きいビーズヘッドニンフでも、小さいビーズヘッドニンフでも、緑のエッグパターンでも黄色でもピンクでも。黒のウーリーバーがでも釣れた。
途中、日が傾きはじめた頃には#22くらいのベージュ色のユスリカが大量に出て、派手なライズも始まった。が、ライズしている魚は大きくとも50センチ、あの巨大魚がユスリカにライズするとはおもえない。もしかしたら巨大魚が咥えてくれるかもとの可能性に賭けて、ひたすら沈めて流し続ける。結果、アメマスが釣れ続く。
夕方、寒くなってきて今日の釣りは終了。やったことといえば釣り堀並のアメマスの浮き釣りだけだ・・・疲れた。もしまた、このポイントに釣りに来るとすれば、アメマスが海に下ってしまったあとの方が良いのかもしれない。
一日無駄骨ではあったけれど、ちょっとした収穫もあった。釣り場に行く途中で白糠漁協の漁港の直売店に寄ったのだ。ここは浜値で獲れたばかりの海産物を直販しているので、通りかかったら必ず寄ることにしている。売店は3時までで、釣りの帰りでは閉まっているだろうからと、釣りの前に寄ったのだ。
大きなホッキ貝が一個なんと70円。スーパーのほぼ半額だ。刺し身で美味しい大きなマツブ貝もあった。ホッキ6個とマツブ2個で900円也、これで今日の夕飯が豪華になる。
でも、ちょっとした収穫というのは貝の話ではない。漁組の売店では、いつも笑顔が爽やかなお兄さんが応対してくれる(あとで貰った名刺を見たら、なんと課長だった) ふと思いついて
鱒や 「ここは定置網もやってるの?」
課長 「もちろん、やってますよ」
鱒や 「じゃあ、定置にブラウンとかニジマスとか入ることってある?」
課長 「うーん、ブラウンは2回だけかな、サイズはこのくらい」
と拡げた手幅は40〜50センチか。それよりブラウンを知っていることに驚いた。
鱒や 「もしかして釣りやるの?」
課長 「アメマスはやらないけれどニジマスの釣りはやりますよ」
鱒や 「釣り方は?」
課長 「フライです、シングルハンドで川だけですけどね」
おお、釣り方の好み、似てるじゃない。
鱒や 「で定置網だけれど、ニジマスは入るの?」
課長 「ニジマスはときどき入りますよ」
鱒や 「サイズはどのくらい?」
課長 「大きいのはメーター近いです」
鱒や 「・・・ ・・・ !!」
という訳で、なかなかの情報でしょ、もちろん名刺交換してきた。70センチ以上のニジマスが定置に入ったら、買い取るから連絡くれるようにと頼んでもおいた。屈斜路湖に釣りに来たことが無いそうで、湖はツーハンドじゃなきゃ無理でしょうというから、シングルハンドで充分遊べる、というかツーハンドよりシングルの方が釣れると思うよ、是非お出で下さい。と、お誘いもしてきた。
巨大魚の正体がほぼ判った気がする。この巨大魚がスチールヘッドなのか、ニジマスなのか? ニジマスが海に降りれば必ずしもスチールヘッドというわけでも無さそうだ。海面養殖のニジマスがスチールヘッドではないのと同じで、海に降りて巨大化したニジマスという可能性もありそうな気がする。