身を守るために |
たとえば、水道水への放射性物質混入の飲用安全基準はWHOの基準ですら1bq/lなのに、国は緊急時の暫定基準だといって300bq/lを設定しました。健康への影響は平時だろうと緊急時だろうと変わらないはずで、平時に十分検討されて決められたはずの基準値を緊急時だからと300倍にまで変えて、それが安全だなどというのは、どう考えても信じられません。
東京での放射線測定値は3月15日に一時的に約500nGy/hに達したけれども、すぐに50nGy/hとほぼ平時の状態に戻りました。その後の21日の雨以降は現在までがほぼ150nGy/h弱と、平常時3倍前後の数値で推移しています。御用学者たちは、この数値を安全という。
ところが、この程度の放射線測定値でも、水道水は暫定で無理矢理引き上げた安全基準の2/3に達してしまう210bq/lにまで汚染されている。水の汚染源は原発から拡散した放射性物質なのだから、単純に考えれば東京方向にもう少し風が吹けば、空間放射線測定値がたいして高くならなくとも雨が降ると、簡単に水道水の暫定基準値など超えてしまう可能性が高いとおもうのです。飲用水に含まれる放射性物質は、もちろん内部被曝の原因となります。本当に大丈夫なの?
以下の2つは原発事故に対する重要な情報サイトへのリンクです。
先ずは放射性物質の拡散モデル。こんどはノルウェーからのもので、これまででいちばん見やすく分かり易い。見たい時間で止めてみることも出来ます。制作側は国際気象の風のデータを使っているから確実性は低い荒いデータだといってますが、参考にはなりそうです。6時間おきにデータ更新もしているようですから、ここはブックマークしておきましょう。(地表に降りてくる放射性ダストのデータはTOTではなくてSFCの方のようです)
注目すべき点のひとつはヨウ素とセシウムについて、それぞれの拡散モデルを出しているだけでなく、キセノン133についても拡散モデルが出ている。キセノンガスに関しては日本ではまだ何も発表されていないけれども、もう一度、ホントに大丈夫なの? 日本にもSPEEDIという放射性物質拡散予想システムがあるのだそうですが、なぜかデータを公表してくれない。国民の税金で、国民の健康を守るために作られたシステムのデータを公表しないという理由は、勘ぐらざるを得ませんよね。という訳で、当面はノルウェーからの情報に頼らなきゃならないのは、おかしな話ではあります。
で、このノルウェー発表のモデルを見ると放射性物質が北海道にも到達する可能性もありそうです。(ノルウェーサイトは日本時間じゃないことに注意!! UTCですから日本は9時間足さなきゃならない)
ところが、これまで北海道での放射線モニタリングポストは泊原発の周りの他は、札幌でのデータの公表だけでした。札幌の雨量計では釧路や根室の雨量を計れないのといっしょで、札幌の放射線量データを同じ北海道といっても道東に当てはめるのは無理だよとおもっていたら、やっと昨日の23日から北海道庁が道内各地の観測データをHPに掲載しはじめました。
が、測定は午前9時と、午後の13時と17時の3回だけ。つまり支庁の職員が出勤直後と昼休み後と、帰宅直前にガイガーカウンターで計るだけのようです。それでも情報は今のところ、ここにしかありませんから、北海道にお住まいの方はブックマークしておきましょう。
東京では15日にごく短時間だけ平常時の10倍程度の放射線が観測されただけで、21日の雨以降は平常時の3倍程度ですが、それでも水道水はWHO基準値の210倍にまで汚染されました。ならば、北海道でも少なくとも24時間体制で3時間に1度。そして平常時の値を超えた場合は毎時計測して発表するのが当然でしょう。今後は釧路と根室の公表値に注目したいとおもいます。