マガモ |
先日のマイケル・ケンナ写真展以来、モノクロームの写真が気になってしかたない。
銀塩写真の時代にはモノクロ写真なら自分で現像、プリントをしていたこともあるのだけれど、デジタルになってからはカラー一辺倒だった。銀塩モノクロというのは写真が技術的に進化していくうえで通過しなくてはならない必要不可避な技術、表現方法だったのだけれども、デジタルは初めからカラーだったし、ネイチャー写真の表現方法として、あえて色を無くす必要があるのか疑問でもあった。
ランドスケープなど動きのないものの撮影ならともかく、動物や野鳥を撮りたい私としては、それが生態写真ではなくアートを目指しているとしても、色情報無しで撮れるのかどうか、ここまで、あまり深く考えずにカラーで撮り続けてきた。
が、マイケル・ケンナの写真を見て、ちょっと考えが変わってきた。もちろんケンナの写真は動きの少ないランドスケープなのだけれど、動物や野鳥のネイチャー写真でもモノクロの方が表現として向いている作品もあるのかもしれない、と思い始めたのだ。
まあ、実際の動物や野鳥の場合は撮影では、一瞬の判断で撮影しなければならないことが多く、その判断のほとんどをピント合わせに使わなければならない。露出はカメラ任せ、構図は考えるけれど、ある意味運任せだ。さらに色情報を付けるか付けないかまで判断は無理だろうから、撮るときに最初からモノクロを意識できているかがポイントになってくるのだろう。逆光や空抜きなどカラーで撮るにはキビシイ条件の時など、初めからモノクロに頭を切り換えて撮れれば、それはそれで面白い写真が撮れそうな気もしてきた。
1Dmark3 EF100-400 ISO800