ジョンと鮭 |
レトリーバーはリトリーブ=回収する、という言葉から出来た犬種名です。狩猟の時に打ち落とした鴨を、泳いでいって回収するために造られた犬なのです。ゴールデンにせよラブラドールにせよ、家庭犬として、もっとも人にフレンドリーな犬種なのだけれども、元々は狩猟用に造られた犬になのです。
いつも朝食用の牛乳を分けてもらっている国道の向こうの切原牧場のジョンも、ゴールデンレトリバーの血を引いているのだから、狩猟犬の本能が少しはある・・・かもしれないな。
鴨を撃ち落とすわけにはいかないけれど、「鱒や」の入り口にある小さな川に上ってきている鮭を見せたらどうなるか? ジョンは、たぶん生きた鮭を見たことはないはずで、これは面白そうと今朝ジョンを借りてきました。
いやぁ、こんなに興奮したジョンを見たのは初めてです。口から泡を吹きながらワンワン吠え廻る。鮭に向かって突進する。グイグイと鎖を引かれて、こちらまで川に引きずり込まれるところでした。鮭の方も小さなクマでも来たのかと大騒ぎ。放って置いたらジョンは川に入ってて鮭を追い回したでしょうが、産卵寸前の鮭をパニック状態にさせるのは可哀想ですから、なんとか引き留めました。
ふだんはホルスタインに舐めてもらうのが大好きな、おとなしい犬ですが、やっぱりどこかに狩猟犬の血が、ちょっとは残っていたようです。
今頃は何時ものように牛舎の端に繋がれて、ウトウトしながら鮭を追い回す夢でも見ていることでしょう。